「GitHub Copilot」でAIが提案したコード、業務でどれぐらい採用された? サイバーエージェントが公開
サイバーエージェントが、社内におけるAIプログラミング補助ツール「GitHub Copilot」の利用データを公開。AIが提案したコードの採用率は。
サイバーエージェントは7月19日、4月下旬に導入したAIプログラミング補助ツール「GitHub Copilot」について、同社のエンジニア500人超による利用状況を公開した。AIが提案したコードの採用率などを明かしている。
エンジニアの半数近くが使うコードエディタ「Visual Studio Code」でGitHub Copilotを使うユーザーのデータを集計。5月18日〜7月16日までにAIが提案したコードの総数は約46万件だった。このうち、ユーザーがAIの提案をそのまま採用したのは約14万8000件。32.1%の提案が採用されていることになる。
言語別の採用率も公開した。例えばTypescriptでは、提案のうち36.5%(約4万5400件)の提案がそのまま採用されていたという。Goでは39.9%(約3万9200件)、Pythonでは32.2%(約1万3900件)だった。
ただし、サイバーエージェントが導入しているビジネス版「Copilot for Business」では、エンジニア個人のGitHubアカウントをひも付ける形での利用が必要なので、全てが業務上のデータとは限らないという。
また、サイバーエージェントではVisual Studio Code以外の開発環境でGitHub Copilotを使うユーザーもいることから、他環境での利用状況も合わせると、採用率などの数値が上振れる可能性もあるとしている。
同社における開発環境の利用率は、Visual Studio Codeが48%、チェコJetBrains製のツールが45%、その他は「NeoVim」や「Vim」など。Visual Studio Code以外でのデータは集計していないが「採用率は倍近くになると思われる」との見立てを示している。
サイバーエージェントはGitHub Copilot導入の効果について「確実に生産性の向上に寄与しているが、具体的にどの程度かまではまだ言語化できていない」としている。引き続きエンジニアからの意見を集め、効果測定に適した指標を模索する方針だ。
GitHub Copilotは、コードの一部を入力すると、AIが続きを書いたり、提案してくれたりするサービス。サイバーエージェントだけでなくZOZOなども導入している。ビジネス版では、入力したコードが学習に使われないようにしたり、ライセンスの侵害につながるコードの提案を減らしたりと、AI活用によるリスクを低減する機能も提供している。
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