X(旧Twitter)、反ヘイト団体CCDHを本当に提訴 「データを不正に収集した」
X(旧Twitter)は、反ヘイトの非営利団体CCDHを提訴したと発表した。CCDHが不正確な調査を行うために「意図的かつ違法に」プラットフォームのデータにアクセスし、またこの調査結果で「数千万ドルの広告収入が失われた」と主張している。
米X(旧Twitter)は7月31日(現地時間)、オンラインでの人権と自由の保護を目的とする非営利団体Center for Countering Digital Hate(以下CCDH)を提訴したと発表した。CCDHは同日、Xから警告書簡を受け取ったと発表していたが、実際に訴訟になった。
CCDHは6月、Metaのヘイト対策についての複数の調査結果を発表した。その中には、Twitter(当時)がTwitter Blueユーザーによるヘイト投稿の99%に対し、Twitterが対処しなかったというもの。また、別の調査では、イーロン・マスク氏によるTwitter買収以来、反LGBTQ+な投稿が急増したというものだ。
Xは、CCDHがこれらの調査を行うために、Xの利用規約に違反して「意図的かつ違法に」Twitterのデータを収集したと主張している。顧客がTwitter上でブランドを関しできるようにするサービスを提供する米Brandwatchにアクセスするためのアカウントを不正に入手したという。
また、CCDHの調査結果は不正確だとも主張する。これらの調査がXに「重大な経済的損害」を与えており、この調査を受けて一部の企業が広告を一時停止したことで「数千万ドルの広告収入が失われた」とも主張している。
これに対し、CCDHは公式ブログで「マスク氏は、自分が作り出した有害な環境に対処するのではなく、プラットフォーム上で山火事のように広がっているヘイトと偽情報に警告を発する者を射殺しようとしている。CCDHは調査を止めるつもりはない。マスク氏はわれわれを沈黙させることはできない」と語った。
Xのマスク氏はこれまで、米Microsoftや米Metaを提訴するとツイートしたり書簡を送ったりしたことがあるが、いずれも実際には訴訟に発展させてはいない。今回は非営利団体を実際に提訴した。
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