OpenAI、GPT-4の活用で人間のコンテンツモデレータの負担軽減が可能と主張
OpenAIは、コンテンツモデレーションにGPT-4のようなLLM(大規模言語モデル)を活用できるとし、そのプロセスをブログで紹介した。これにより、人間のモデレータの負担を軽減できるとしている。
米OpenAIは8月15日(現地時間)、「Using GPT-4 for content moderation」(コンテンツモデレーションにGPT-4を活用する)と題するブログを公開した。コンテンツポリシーの開発とモデレーションにGPT-4などのLLM(大規模言語モデル)を使えば、ラベル付けの一貫性が高まり、迅速なポリシー改善が可能になり、人間のモデレータの関与を軽減できると主張している。
問題のあるコンテンツを判定し、ラベル付けするために、多数の人間が低賃金で長時間、暴力的など問題のあるコンテンツを視聴させられることが問題になっている。
OpenAIは、こうした問題に対処するためにLLMの使用を検討しているという。GPT-4は自然言語を理解して生成するので、モデレーションに適用できるとしている。GPT-4のシステムを使えば、コンテンツポリシーの開発とカスタマイズにかかる時間が、従来の数カ月からわずか数時間に短縮できるという。ブログではその例を紹介している。
米Metaや米Googleも既に、コンテンツモデレーションで人間だけでなくAIを使っていると明らかにしているが、そうした企業はいずれもシステムが不完全であることを認めている。
OpenAIも、「言語モデルによる判断は、トレーニング中にモデルに導入された可能性のある望ましくないバイアスに対して脆弱だ」と認めている。「他のAIアプリと同様に、結果と出力は、人間を常に関与させて注意深く監視、検証、改良する必要がある」としている。
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