“AWSたまごっち”はなぜ「Azureたまごっち」「オラクルたまごっち」にならなかったか バンダイに聞いた(2/2 ページ)
AWSを採用して話題になった「たまごっちユニ」。AzureやOracleではなくAWSを選んだのはなぜか。バンダイに取材した。
背景に海外市場と通信の進化 「世界とつながる」なぜ目指した?
企画のコンセプトとセキュリティ、それぞれを重視した結果AWSの採用へと至ったたまごっちユニ。そもそも、今回のように世界のユーザーとつながれるおもちゃにしようと思った背景には、たまごっちの海外人気があるという。
「たまごっちは日本と海外で別のシリーズを出しており、最近だと欧米向けのものが人気になった。世界的な知名度も高まったと考えており、ここで世界中のたまごっちユーザーがみんなで一緒に盛り上がれるコンテンツを提供したかった」(岡本さん)
たまごっち同士の通信機能を進化させるという考えもある。たまごっちシリーズは本体同士を通信させ、たまごっちを結婚させたり遊ばせたりする機能が特徴の一つだ。実は通信機能においては、赤外線通信に加え、NFC、Bluetoothなど、さまざまな通信技術を搭載したバージョンをすでに発売しており、「より良い体験に向けたチャレンジが続いていた」(坂本さん)という。その果てにあったのがWi-Fiを使い、世界のユーザーとつながれる機能だったわけだ。
遊ばれ方のデータも活用 コンテンツ制作・改善に生かす
新技術の活用で得たものは他にもある。子どもたちがたまごっちをどのように遊んでいるかのデータだ。プライバシーに触れるものは収集しないが、どんなアイテムが人気かなどの情報は集めており、今後のコンテンツ制作に生かすという。
「Wi-Fiを搭載し、クラウドにつながるようにした製品の特徴として、どれくらい遊ばれているのかといった情報が見られるようになった。そういった情報をこれからの遊びの改善につなげていきたい」(坂本さん)
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