搭乗できる巨大ロボ「アーカックス」の全貌を写真と動画でチェック “モードチェンジ”“コックピット開閉”などロマン動作てんこ盛り
SFに出てくるような巨大ロボットに乗り込んで操縦する──ロボットファンなら一度は夢見るシチュエーションがいま現実になろうとしている。ロボット開発を手掛けるツバメインダストリは、搭乗型ロボット「アーカックス」の全貌を公開した。
SFに出てくるような巨大ロボットに乗り込んで操縦する──ロボットファンなら一度は夢見るシチュエーションがいま現実になろうとしている。ロボット開発を手掛けるツバメインダストリ(東京都江戸川区)が8月19日に公開した搭乗型ロボット「アーカックス」。その全貌を、スペックの紹介も交えつつ写真と動画でチェックしていこう。
アーカックスは上半身に2本の腕、下半身に車輪付きの4本脚を備えた巨大ロボット。その最大の特徴は、コックピットを備え、人が乗り込み操作できる点だ。機体の移動はもちろん、2種類の形態に変化する「モードチェンジ」が可能など、まさにロボットファンのロマンが詰まったロボットといえる。そのスペックはいかほどか。
アーカックスの重量は3.5tで、移動に特化した「ビークルモード」時には全高3.9m、両腕が自由となる「ロボットモード」時は4.5m。速度はkm/h(ロボットモード)〜10km/h(ビークルモード)となる。全ての動力は電気で賄っており、電気自動車用のバッテリー(DC300V)を搭載している。
外装にはFRP(繊維強化プラスチック)を採用。「日本の職人による技術で高い造形品質を保ち、大きさが間延びしないように高密度な情報量を持つのが特徴」(同社)という。頭部やハンドは3Dプリンタで作成している。
関節自由度は全身で26あり、それぞれコックピットに乗り込んで動かせる。内部にはタッチパネルやジョイスティック、足元にはペダルがあり、コマンド入力することで機体を操作できる。また、一部の動きについてはタッチパネル搭載のデバイスで遠隔操作も可能。また、産業用エアコンも搭載して暑さ対策もばっちりだ。
頭部はモノアイ風のデザインとなっているが、ここにカメラは備えていない。同社は「肉眼ではなく、カメラモニター越しで外を見るのがアイデンティティーになると考えた」「遠くを見るよりも周囲の状況把握を優先した」と説明。機体全体に計9台のカメラを整備し、コックピットにある4つのモニターで映像を確認できる。
内部フレームには鉄(SS400系)やアルミ合金(ハッチ)を採用。建設機械のフレーム構造がベースとなっており、強度と剛性を確保している。「軽量化にはかなり力を入れており、なんとか重量を3.5tに収めている」
安全面は、産業用ロボットの安全規格(JIS B8433-1)を参考にした。機体が5度以上傾くとシステムが停止するなど、建設機械と同等の転倒安全性を確保。コックピットは両手両足で4つのスイッチを押すことで開閉できる仕組みにし、手足の挟み込みを防止している。また、コックピット後方には非常脱出ハッチも搭載している。
アーカックスは19日から日本での先行販売を始めている。価格は1体4億円、数量は5体限定。今後、10月に開催されるイベント「ジャパンモビリティショー2023」にも出展する予定だ。また、アニメ「マクロス」シリーズなどのアニメーション監督を務めた河森正治さんがデザインのコラボレーション製品の発売も決定している。
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