NY州弁護士→日本のスタートアップで開発者に 異色の経歴持つ外国人エンジニア、日本で働く理由は?:外国人エンジニアに聞く「あなたは何しに日本へ」(2/2 ページ)
令和は多様性の時代。IT業界でもさまざまな人が働いている。海外から来たITエンジニアなどもその一例だ。とはいえ、いざ外国人エンジニアと一緒に働くとなると、コミュニケーションが難しいと感じる人もいるかもしれない。本連載では、実際に日本で働くITエンジニアの人たちにインタビュー。日本に来た理由や、日本で働くことの印象などを聞いていく。
日本や日本のIT業界への印象は?
──日本に住んで長いと思いますが、生活してみて受けた印象を教えてください。
ショーネカー 治安がいいという意味で、安全で楽ですね。ランニングが好きなのですが、日本だったら夜に走っても全然問題ありません。でもニューヨークだったら死んじゃいます。
10年前くらいの話ですが、夜に都内をランニングしていた際に「日本は危なくないんだ」と思ったことがあります。工場地帯の近くを通りがかり、「アメリカなら夜の工場地帯を走るのは危ない」とためらっていたら、近くで5歳か6歳くらいの小さい女の子が普通にコンビニで買い物をしていて、危なくないんだな、と理解しました。
──逆に、ネガティブな印象はありますか?
ショーネカー 先進国にしては英語のレベルが低く、日本の成長が限定される原因にもなっていると思います。そもそもプログラマーには英語圏の人が多いですし、シリコンバレーなど、優秀な人材や技術が集まる場ならなおさら英語が必須です。
また、英語ができるほうがエンジニアの獲得も有利になると思います。日本で日本語ができるプログラマーを集めても取り合いになります。マネジャーや経営クラスも、英語ができないことでキャリアが限定されてしまうのではないかと。
──日本のIT業界への印象を教えてください。
ショーネカー 米国の場合、サービスの提供当初から視野が全世界に広がっています。一方、日本は「日本を制覇してから海外に進出する」という考え方がある気がします。
日本に特化してしまうと世界で使えないものになる可能性もありますし、日本でユーザーを増やす間に他国で競合が生まれるので、もったいないなと思います。
──LegalOnが提供するような、SaaSに限った場合でも同様でしょうか。
ショーネカー 大きくは変わりません。しいて言うならUXの違いがあるでしょうか。欧米だと、なるべく注目する場所を1カ所にするようなUXが多いですが、日本はたくさんの情報があふれています。
なので、海外の人からすると何をどう見たらいいか分からなくなりやすい。日本向けに機能を充実させてから海外に出るのが良くない理由の一つかもしれません。
──最後に、今後のキャリアについて考えがあれば教えてください。
ショーネカー あまり考えていません。道を考えず散歩するのが好きなので、同様にやっていきたいと考えています。
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