デジカメで「白黒写真」──なんでもないスナップを無駄に意味ありげな写真に仕上げるテクニック:荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/5 ページ)
モノクロ写真……というよりかは白黒写真に興味を持った人にお贈りする「白黒は面白いよ入門」である。カラーで撮影した後のいじり方を中心に解説しよう。
今年の夏の暑さはたまらんですな。35℃超えの日は珍しくもないここ数年だけど、それが何日も続くとなると、カメラ持って気軽に出かけるのもイヤになるほどで、しかも花火大会はどこも「待ってました」とばかりに多くの人が訪れてゆっくり三脚を立てて撮影するという雰囲気でもなさげ。そんな季節は無理に外に出ないで家の中でモノクロ写真でも楽しみましょう。
という強引な始まり方をしてしまったけど、春にライカ、ペンタックスと立て続けにモノクロ専用カメラが誕生したとき、デジタルのモノクロ写真の話をしようと企画を考えたのだけどやりそびれていたのだ。それをやってみようと思ったのである。
モノクロ専用カメラはモノクロ専用のセンサーを使ってるので、特にディテールの解像感が違うわけだが、それ以前に、モノクロ専用カメラのニュースを見て、モノクロ写真……というよりかは白黒写真に興味を持った人にお贈りする「白黒は面白いよ入門」である。とりあえず専用カメラは必要ない。
モノクロ系のカラーモードを活用
どのカメラもカラーモード(ピクチャースタイルとか呼称はいろいろあるんだけど)の中にモノクロ系のモードを持っており、それが複数用意されている場合もある。
印象的なところだと、ニコンの「グラファイト」。コントラストが高くて黒がぎゅっと締まった絵を作ってくれる。これは黒を生かしたいときにいい。
富士フイルムのフィルムシミュレーションも複数のモノクロモードを持っているが、同社の白黒フィルム「ACROS」をシミュレートした「ACROS」も渋くていい白黒写真を撮ってくれる。
パナソニックの「L.モノクローム」も印象的だ。LはライカのL。
カラーだとこの感じはでない。
だから何はともあれそういうモノクロ系のモードで撮ってみればいいのだけど、あらかじめ「ここは白黒で撮りたい」とぱっと感じ取ってカラーモードを切り替えられる、あるいは今日は白黒写真を撮りたい気分だ、ってカメラを構えられる人はそうは多くないわけで、それなりに写真を撮り慣れてないと難しいよね。
そこでカラーで撮った写真を白黒にする遊びをしてみようというわけだ。
まずは階調をコントロールして遊んでみる
使うソフトはメジャーであり、なおかつ私が愛用してるソフトということで「Adobe Lightroom」(のClassic)。サブスクもので申し訳ない。
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