Meta、画像生成モデル「Emu」でInstagramなどで使える生成AIスタンプと画像編集を可能に
Metaは、独自の画像生成モデル「Emu」と、それを採用するInstagramなどで使えるAIスタンプと画像編集機能を発表した。プロンプト入力から“数秒で”スタンプが生成される。
米Metaは9月27日(現地時間)、年次イベント「Meta Connect」で、独自の画像生成モデル「Emu」とそれを採用する2つの画像関連ツールを発表した。
Emu(Expressive media universe)
Emuは、イベントではExpressive media universeの略と紹介されたが、論文(PDF)では「Enhancing image generation Models Using photogenic needles in a haystack」(干し草の中のフォトジェニックな針を使って画像生成モデルを強化する)の略となっている。
11億件の画像とテキストのペアでトレーニグしたモデルを、数千枚のフォトジェニック(視覚的に魅力的、という意味)な高品質画像で微調整したもの。トレーニングのみの画像と比較して「成立率82.9%を達成」したという。
マーク・ザッカーバーグCEOは発表イベントで、Emuは5秒で画像を生成できるが、自分の子供たちはそれでもまだ遅いと感じているようだと語った。
Instagramなどで使えるAIスタンプ
Llama 2とEmuを採用することで、チャットやストーリーで使えるSticker(日本では「スタンプ」)をAIで生成できるようになる。まずは、向こう1カ月中にWhatsApp、メッセンジャー、Instagram、Facebookのストーリーズで展開していく。
各アプリのテキストボックスに作りたいスタンプの説明を入力すると「数秒で」スタンプが表示される。
InstagramでAIによる画像編集「restyle」と「backdrop」が可能に
Instagramに投稿する画像をAIで編集できるようになる。ザッカーバーグ氏は「restyle」を使って、愛犬ビーストの画像のモジャモジャの毛を折り紙や毛皮に替えてみせた。プロンプトに「水彩画風に」などと入れて写真を水彩画風にしたりすることが可能だ。
backdropは背景を変える機能。1人で芝生に寝ている画像に「子犬に囲まれる」と入力すると、そのように加工される。
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こちらは“間もなく”利用できるようになるという。
責任あるAI活用
restyleとbackdropで生成した画像には、AIで生成したことがわかるように表示するとしている。さらに、可視および不可視なマーカーの形式を実験中という。
Meta Connectではこの他、生成AIチャットbot「Meta AI」、MRヘッドセット「Quest 3」とスマートグラスも発表された。
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