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国土地理院、液状化などの災害リスクが分かる「明治期の低湿地データ」整備拡大
国土地理院は、過去に低湿地であった場所が分かる「明治期の低湿地データ」の整備範囲を拡大した。
国土地理院は、過去に低湿地であった場所が分かる「明治期の低湿地データ」の整備範囲を拡大した。これまで公表していた三大都市圏周辺等に加え、新たに神戸市など35地区のデータを9月21日に公開している。
明治期の低湿地データは、明治中期以降に作成した縮尺2万分1の地図に表示されている当時の土地利用記号を基に、河川や湿地、田、芦葦の群生地など低湿地と考えられる区域を抽出し、現在の地図と重ね合わせられるようにしたもの。一般に過去に低湿地であった場所は、地震による液状化等との関連性が深いとされ、地盤改良などの対策が実施されていない場所ではリスクが高くなるという。
2013年3月から一部データの公開を始め、これまでに東京・大阪・名古屋の三大都市圏周辺など約3.5万km2のデータを公表していたが、今回整備範囲を大幅に拡大。神戸市など35地区、約4.3万km2のデータを追加した。ウェブ地図サービス「地理院地図」で閲覧できるほか、申請手続きによりデータセットを入手、利用できる。
なお、データ作成に使用した明治期の2万分1地図のうち、古いものは地図作成時の位置の基準となる三角点が整備される前に作成されたため、明治期の低湿地データの位置は、場所によって最大100m程度の誤差を含んでいることがあるという。
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この記事は、地図と位置情報のニュースを中心とした情報サイト「GeoNews」から転載、加筆したものです。URLはこちら。
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