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米NSA、AIの開発を監督し、防衛強化を目指す「AIセキュリティセンター」創設
米国家安全保障局(NSA)は、AIの開発と統合を監督し、中国などからのAI採用サイバー攻撃に対する防衛強化を目指す「AIセキュリティセンター」の創設を発表した。
米国家安全保障局(NSA)は9月28日(現地時間)、AIの開発と統合を監督する新組織「AI Security Center」の創設を発表した。産業界とも連携し、中国やロシアなどの脅威に対する米国の防衛基盤強化も目指す。
NSA長官兼米サイバー軍司令官のポール・ナカソネ氏は同日、ワシントンの記者クラブでの会見で、このセンターは「米国の産業界、研究所、学界、国防総省、一部の海外パートナーと緊密に連携する」と語った。
ロシアや中国が2024年の米大統領選に影響を与えようとしているのを察知したかという記者の質問に対し、ナカソネ氏は「まだ察知していない」と答え、米国はそのような動きを阻止するためにパートナーや同盟国と協力すると語った。
米連邦捜査局(FBI)と日本の内閣サイバーセキュリティセンターは9月27日、中国政府を背景にするサイバー攻撃グループが米国や日本を含む東アジアの政府や産業界を標的にサイバー攻撃を行っているという警告を発した。
ナカソネ氏は、AIセキュリティとは、システムを「間違ったことの学習や実行」から保護するだけでなく、サイバー攻撃からも守り、「悪意のある外国の攻撃者が米国の革新的なAI能力を盗めない」ことを保証するものだと説明した。
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