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「被写体を横に動かせたら」「ガラスの反射を消せたら」実現 公開されたアドビの新技術がすごかった(2/5 ページ)

米Adobeは10月11日(現地時間)、同社が開発中の新技術を自社カンファレンス「Adobe MAX 2023」にて発表した。これは「Sneaks」という同イベントのトリを務めるコーナーで、2023年は全部で11の新技術が披露された。その中から特徴的だった5つの技術を紹介する。

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写真ってなんだっけ……被写体を自在に動かせる「Project Stardust」

 「あの被写体、もう少し左寄りに撮ればよかったな」なんてことも、将来Photoshop上で編集できるようになるかもしれない。「Project Stardust」は被写体をあとから自由に編集できるツールで、位置を動かしたり(それによってできるデータの欠落をAIが補間)、服装を変えたりなどを実現する。デモでは、切り抜きした2人の画像を専用のレイヤーに置いたかのごとく自在に動かしていた。


例えば「この写真の2人をもう少し左に動かしたいな」と思っていたとしよう

「Project Stardust」だと2人だけを高精度に選択し、そのまま横に移動させることが出来た。背景の欠落は自然に補間されている

服装もチェンジ。犬も追加した

 会場では、4人が重なりながら並んで撮影した写真の編集もデモ。一番手前の人物を横に動かすと、普通なら背景や後ろの人物の顔、身体、服装が欠落したままになる。ところがProject Stardustはそれを自然に修復してくれる。


次のデモは4人が重なりながら並んでいる写真を使ってデモ

一番手前の女性を動かしてみると、後ろの男性は一部が欠落したままになっている(なぜか背景はすでに補間されている)

「Project Stardust」を使うことで、欠落した部分を自然に再現。顔や服装のパターンも自然な仕上がりになっている

 デモではそのあと手前の1人、後ろの2人を削除。背景はきれいに補間され、最初から単独で撮影したポートレート写真のような仕上がりになった。


最後は手前の女性と後ろの男性2名を削除。ただの単独ポートレート写真に変えてしまった

 おそらく生成AI「Adobe Firefly」のパワーを活用しているのだろうが、「こうしておけばよかった……」という失敗をカバーできる技術としてかなり強力なものになりそうだ。一方で写真の根幹が揺らぎそうな技術でもあるが、もしAdobeがPhotoshopなどに実装する場合、そのデータがどう編集されてきたかをたどれるコンテンツクレデンシャル機能で編集過程を追えるようになるだろう。

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