「被写体を横に動かせたら」「ガラスの反射を消せたら」実現 公開されたアドビの新技術がすごかった（3/5 ページ）

米Adobeは10月11日（現地時間）、同社が開発中の新技術を自社カンファレンス「Adobe MAX 2023」にて発表した。これは「Sneaks」という同イベントのトリを務めるコーナーで、2023年は全部で11の新技術が披露された。その中から特徴的だった5つの技術を紹介する。

[山川晶之，ITmedia]

「やべ、ネクタイせずに動画を撮ってしまった」を後で何とかする技術

　Photoshopに搭載されて話題となった「生成塗りつぶし」「生成拡張」の動画版が登場した。生成塗りつぶしとは、不用意に映り込んでしまった人物などを生成AIの力で元画像に馴染むように除去する機能だが、それを動画に取り込んだのが「Project Fast Fill」だ。

動画に映り込んだ消したい人物を選択

生成AIで周囲に馴染む形で削除できた。この状態を維持しつつ動画として出力できる

　動画に映り込んでしまった人物など、除去したい部分を囲むだけでAIがオブジェクトを取り除いて動画として出力する。しかも元動画にないオブジェクトを後から付け足すこともできる。

　デモでは、ネクタイをしていないスーツ姿の男性の動画の胸元をラフに選択し、プロンプトで「ネクタイ」と入力すれば、胸元にネクタイが出現。しかもそのまま動画として再生できる。体を動かしても、日光に照らされてもきちんとそれを反映。全く違和感のない仕上がりになっている。

ネクタイをしていない男性の胸元を選択

プロンプトで「ネクタイ」と入力すると動画にネクタイが出現

ネクタイが付けられた状態で動画として出力される。日光が差し掛かってもきちんとそれを反映するため全く違和感のない仕上がりになっている