イスラエル・ハマス衝突でサイバー空間も戦場に ハッキングで“偽の核攻撃アラート” SNSはデマだらけ:この頃、セキュリティ界隈で(2/2 ページ)
パレスチナ自治区ガザのイスラム勢力ハマスとイスラエルの戦闘が、サイバー空間でも激化している。
SNSではフェイクニュースが氾濫
SNSはそうした偽情報であふれ返っている。報道によると、TikTokにはゲームの画面に「イスラエルの戦争」とキャプションを付けた映像が出回り、X(元Twitter)ではイスラエルが民間人殺害のやらせを演出しているとする偽情報が拡散。「ハマスが音楽フェスティバルにパラシュート降下」と称してInstagramに投稿された映像は、エジプトで撮影された無関係なパラシュート飛行の映像だったことが分かった。
SNSに詳しいイスラエルのサイバーセキュリティ企業Cyabraは、今回の戦闘が始まってからの2日間でFacebook、X、インスタグラム、TikTokに投稿された写真や映像2000万件を分析。その結果、この衝突についてネット上で発言していたSNSアカウント16万2000件のうち、およそ25%が虚偽だったことを突き止めたとしている。
虚偽アカウントから発信されたハマス寄りの投稿やコメントは、わずか2日間で31万2000件を超えた。そうした投稿はイスラエル支持のハッシュタグを利用することで相当数のコメントを集め、広く共有されて、2日間で5億3000万回以上の閲覧数を記録した。
サイバー空間でそうした激しい攻防が続く中でも、世界有数のサイバーセキュリティ大国であるイスラエルのインターネットは安定した状態にある。Recorded Futureによると、Check Point、Cybereason、Impervaなど名のあるセキュリティ企業はイスラエル人が創業者。GoogleやMicrosoftなどの大手もイスラエルで大量の人材を採用している。そうした企業でサイバーセキュリティを担う幹部は、イスラエル国防軍の諜報部隊「8200部隊」で訓練を受けた精鋭がそろう。
一方、電力や食料、水などの供給を断たれ、イスラエルの空爆でインフラも破壊されたガザは、ネット接続も途切れがちになり、世界に窮状を伝えることさえできない状況に追い込まれつつある。
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