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「気球で宇宙遊覧」に道筋 宇宙ベンチャー、有人飛行試験で高度1万メートルの成層圏に到達
気球による宇宙遊覧を目指す岩谷技研は18日、自社開発のガス気球で有人飛行試験を行い、高度1万mの成層圏に到達したと発表した。
気球による宇宙遊覧を目指す岩谷技研(北海道札幌市)は10月18日、自社開発のガス気球で有人飛行試験を行い、高度1万mの成層圏に到達したと発表した。
14日に北海道の中川郡本別町で飛行試験を行い、最大高度1万669mに到達した。成層圏の低圧環境でも与圧キャビンと生命維持装置の運用に問題はなかった。
岩谷技研は今回の飛行試験により、1)人を成層圏まで運ぶための有人気球を開発・製造し運用できる、2)減圧環境に耐える気密キャビンを開発し運用できる、3)与圧キャビンを作るために必要な独立した生命維持装置を開発できる、を証明した国内初の企業になったとしている。
気球による宇宙遊覧は、誰でも特別な訓練なしで成層圏までフライトでき、ロケットなどに比べて圧倒的に低コストなのがメリット。同社は23年度中のサービス開始を目指して飛行試験を繰り返している。
想定する宇宙遊覧プランは、上昇2時間、滞在1時間、下降に1時間の4時間コース。気象条件に左右されるため、宿泊付きで1週間ほどのパッケージとなる見込みだ。価格は当初2400万円を予定しているが、10年後に100万円台を目指す。
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