写真を改ざんされても「誰が撮ったか」「元々はどういう写真か」を追える ライカ「M11-P」登場
独ライカカメラが、レンジファインダーカメラ「ライカM11-P」を発表した。M11をベースにいくつかの変更が加えられており、新たな要素として米Adobeが率いる「コンテンツクレデンシャル」機能に対応。写真が加工されたとしても、撮影者や写真の元の状態、編集過程などをたどることができる。
独ライカカメラは10月26日、レンジファインダーカメラ「ライカM11-P」を発表した。M11をベースにいくつかの変更が加えられており、新たな要素として米Adobeが率いる「コンテンツクレデンシャル」機能に対応。写真が加工されたとしても、撮影者や写真の元の状態、編集過程などをたどることができる。
センサーはM11と同じ、6000万画素の裏面照射型CMOSセンサーで、画像処理エンジンは「LEICA MAESTRO III」を採用。M11同様に、3種類の解像度が選べる「トリプルレゾリューション技術」を取り入れている。256GBのストレージを内蔵しており、SDカードがなくとも撮影が可能だ。
外装はM11と異なり、トップカバーにライカロゴはなく、代わりにトップカバー上面に筆記体で「Leica」が刻印されている。素材は、ブラックがアルミニウム、シルバーは真鍮の削り出しで仕上げており、ボディーはマグネシウム合金でできている。背面液晶は反射防止と表面保護コーティングが施されたサファイアガラス製。
コンテンツクレデンシャルは、2000以上の企業・団体が加盟する「コンテンツ認証イニシアチブ」(CAI)が提供するもの。撮影した写真の真正性を証明できるようにするもので、暗号化したメタデータを写真に付与し、撮影者や撮影日、カメラの機種、どのような編集が行われたかの来歴を記録できる。M11-Pには、ドイツ連邦印刷局発行のデジタル証明書を保存するための特殊なチップも内蔵されている。
撮影した写真のメタデータはCAIのサーバーにも保存することができ、もし写真に含まれたメタデータを剥がされたとしても、大きく加工が施されていなければ、クラウド上に保存されている情報と照合して写真の来歴を確認することも可能だ。来歴は無償のツールの他、Webサイト「Verify」から確認できる。
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