今後6年間で大規模データセンター全体の能力が現在の約3倍に、生成AIの利用拡大で Synergey Research Groupの予測
調査会社の米Synergey Research Groupが、今後6年間でいわゆるハイパースケールデータセンター全体の能力が、現在の約3倍に達するとの予測を明らかにした。生成AIの利用が拡大することによるものという。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「生成AIの利用拡大で、今後6年間でハイパースケールデータセンター全体の能力が現在の約3倍に達する。Synergey Research Groupの予測」(2023年10月24日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
調査会社の米Synergey Research Groupは、生成AIの利用が拡大することにより今後6年間でそれを支える大規模データセンター、いわゆるハイパースケールデータセンター全体の能力は、現在のそれの約3倍に達するとの予測を明らかにしました。
ハイパースケールデータセンターとは一般に数千台以上のサーバが稼働する大規模なデータセンターを指します。
ハイパースケールデータセンターに求められる能力は以前から拡大傾向にありましたが、生成AIの登場がそれに拍車をかける形でさらなる能力の急速な拡大が要求されています。
これを背景に、Synergey Research Groupは今後6年間に開設されるハイパースケールデータセンターの平均能力が、現在稼働中のハイパースケールデータセンターの2倍以上になると予測。
さらに、既存のハイパースケールデータセンターの能力増強も進むことを合わせると、ハイパースケールデータセンターの全体の能力は、今後6年間で現在のほぼ3倍に増加すると同社は予測しています。
特に生成AIへの対応はハイパースケールデータセンターにおいてGPUの展開を急速に増加させており、これがデータセンターごとの電力密度を大幅に増加させる要因になるだろうとしています。
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