イチゴ苗をフリマサイトで無許可販売 販売者が書類送検 農水省が注意喚起
農林水産省は、植物の増殖に使われる種苗の取り扱いについて公式Xアカウントで注意喚起した。東京都が品種登録していたイチゴ苗をフリマサイトで無断販売した女性が種苗法違反で検挙されたという。
農林水産省は11月1日、植物の増殖に使われる種苗の取り扱いについて公式Xアカウント(@MAFF_JAPAN)で注意喚起した。同日、東京都が品種登録していたイチゴ苗を、権利者の許可なくフリマサイトで販売したとして、警視庁が50代の女性を種苗法違反の疑いで検挙したことを受けての呼びかけという。
フリマサイトで無断販売されたのは「東京おひさまベリー」というイチゴの苗。東京都が17年かけて開発し、品種登録したイチゴだった。
検挙された女性は、2021年2月ごろから譲渡目的でイチゴ苗を101株生産し、22年11月ごろから「無農薬 東○お○さ○ベリー」などの名称と東京おひさまベリーの画像を使い、商品を出品。22年11月から23年5月までに購入者3人に対して、7株を計3631円で譲渡していた。
フリマサイトなどでは過去にも、ブドウ品種「シャインマスカット」や「ナガノパープル」の苗木を販売し、種苗法違反で罰金刑が科される刑事事件が起きていた。農水省は「育成者権者の許諾を得ていない増殖・販売は種苗法違反に当たり、懲役刑又は罰金刑に処せられる場合もある」と注意を呼び掛けている。
なお、無断増殖された種苗とは知らずに苗を購入した場合、購入者が種苗法違反で罪に問われることはないが「損害賠償請求の対象となる可能性がある」と農水省は指摘している。フリマサイトで購入した苗には病害虫が付いていることもあり、別の場所に植えると病害虫がまん延する可能性もあるとして、農水省は正規の種苗販売店の利用を推奨している。
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