「1円スマホ」撲滅へ 転売ヤー防ぐ省令改正 “白ロム割“も規制対象に
総務省は、「1円端末」の販売につながる過度な割引きを規制することなどを盛り込んだ新プランを発表した。年内に省令を改正する。
総務省は11月7日、「1円端末」の販売につながる過度な割引きを規制することなどを盛り込んだ新プランを発表した。年内に省令を改正する。
端末と回線をセットにした場合の割引可能額を2万円から4万円に引き上げる一方で、割引率の上限を指定。端末を単体で販売する「白ロム」も規制対象に追加することで、極端な安値で端末を販売する道をふさぎ、“転売ヤー”撲滅を目指す。
携帯端末をめぐっては、キャリアが端末を低価格で販売する代わりに、“2年縛り”などで長期契約を求めていたことを国が問題視。2019年の法改正で、回線契約と端末販売が分離され、回線と端末をセット販売する際の割引は2万円に制限された。
だが、端末を単体で販売する場合は割引の規制対象外のため、2万円以上の値引きが可能な状態(総務省では白ロム割と定義)だった。各キャリアは結局、白ロム割とセット割を組み合わせることで「1円スマホ」を実現し、新規ユーザーの呼び水にした。
これに目を付けた“転売ヤー”が、割引された端末を低価格で購入し、転売で利益を得る問題が発生。キャリアは赤字で端末を販売したのにもかかわらず、本来獲得したかった新規ユーザーの契約に結びつきづらい状況があった。
そこで新たなプランでは、割引額の上限を従来の2万円から4万円に増やす一方で、端末価格が4〜8万円の場合はその50%まで、4万円以下なら2万円までとする。割引率の上限を設けた上で、白ロム販売にも規制を設けることで、1円端末の販売をほぼ不可能に。「過度な割引を規制し、転売ヤー等を防止する」としている。
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