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経産省・NEDOが生成AIの「基盤モデル」開発支援へ GoogleもGPU搭載スパコン提供
経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、さまざまなタスクに適応可能な大規模AIモデル「基盤モデル」の開発支援事業を始めた。
経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月10日、大量のデータでトレーニングし、さまざまなタスクに適応可能な大規模AIモデル「基盤モデル」の開発支援事業を始めた。採択した企業を対象に、GPU「NVIDIA H100」を搭載した米Googleのスーパーコンピュータ「A3」の利用料を補助する。
NEDOによる研究開発支援事業「NEDOポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の一環として、同日から12月11日にかけて公募する。採択された場合、A3をクラウド経由で利用でき、中小企業であれば一定額を、大企業の場合は一律で半額を補助するという。補助が受け取れる期間は研究開発の開始から半年間。スパコンの利用料金だけでなく、AIモデルの開発者や利用者などと交流できる機会も提供するという。
経産省とNEDOは支援事業の背景について「基盤モデルは、言語分野を中心に開発や利用が進んでいるが、言語以外のさまざまな分野のデータを扱えるようにすることや、利用しやすくするように機能を適切に分割することなど、様々な方向性が世界各国で検討されている。こうした黎明期において、日本としても高度なソフトウェア開発人材を育成し、その開発力を確保することが重要」としている。
事業にはGoogleも協力しており、15日に「A3が日本における生成AIの基盤モデル開発に利用されることで、革新的な基盤モデルが開発されることを期待する」とコメントを発表した。
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