「Unity 6」発表、24年提供へ プロンプトで開発できるAI機能「Unity Muse」は早期アクセスに
米Unity Technologiesは、オランダのアムステルダムで開催している自社イベント「Unite 2023」において、ゲームエンジン「Unity」の新バージョン「Unity 6」を2024年にリリースすると発表した。グラフィックス性能やAI機能などを強化するとしている。
米Unity Technologiesは11月16日(現地時間)、オランダのアムステルダムで開催している自社イベント「Unite 2023」において、ゲームエンジン「Unity」の新バージョン「Unity 6」を2024年にリリースすると発表した。これまで西暦ベースだったバージョン表記だが、従来のスタイルに戻った。
Unity 6では、CPU/GPUを最大限活用し、レンダリング、ライティング、スケーリングなどグラフィックス品質が向上。マルチプレイヤーゲームの作成/スケールの支援、強力なAIツール、モバイル機能の強化とVRデバイスのサポートを予告している。「Unity Cloud」も同時発表され、クラウドベースでのバージョン/アセット管理、チームコラボレーションを実現。「ゲーム開発というカオスに平穏をもたらす」としている。
また6月に発表し、クローズドβ版として提供中の生成AI機能「Unity Muse」への早期アクセスが可能になった。コードやリアルな3Dテクスチャ、2Dオブジェクト(スプライト)をプロンプトで生成できる他、近日実装予定の機能として、3Dシーンの全体スケッチ、プロンプトを使ったCGモーション生成/キャラクターの行動定義が可能になるという。価格は月額30ドル(15日の無料トライアルあり)。
CGモーションの生成は、例えば「前に歩く」とプロンプトで入力すれば歩くモーションを、「ゾンビのように歩く」と入力すれば、ゾンビのように足を引きずりながら歩くモーションが生成される。また、キャラクターの動作を「プレイヤーが視界に入るとエージェントが警戒する」などと入力するだけで定義可能になる。
なお、ゲームやアプリといったUnityランタイムにAIモデルを実装するフレームワーク「Unity Sentis」は、すでにオープンβ版を公開中。AIを使ってコミュニケーションできる高度なNPCなど、モバイルやPC、Webブラウザ、Nintendo Switch、PlayStationといったさまざまなデバイスで使えるようになる。しかもデバイス上で実行するため、クラウド利用時の遅延やコストなどが不要になるとアピールする。
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