OpenAIの競合Anthropic、「Claude 2.1」でコンテキストウィンドウを20万トークンに
OpenAI競合のAhthropicは、ChatGPTと競合する「Claude」をバージョン2.1にアップデートした。コンテキストウィンドウを従来の倍の20万トークンに増やした。「GPT-4 Turbo」は12万8000トークンだ。
GoogleやAmazon、SK Telecomなどが出資する米AI企業Anthropicは11月21日(現地時間)、米OpenAIの「ChatGPT」と競合するAIチャットbot「Claude」をバージョン2.1にアップデートしたと発表した。
主な更新内容は、コンテキストウィンドウを従来の10万トークンから20万トークンに倍増させたこと、ハルシネーション率を半減させたこと、APIの採用の3点だ。
コンテキストウィンドウとは、プロンプトに対する応答を生成する際にAIモデルがアクセスできるトークンの範囲を指す。OpenAIが先日のDevDayで発表した「GPT-4 Turbo」は12万8000トークンだ。
Claudeに「20万トークンだと、例えばどんな日本の小説の要約が可能になりますか?」と尋ねたところ、「村上春樹の短編や夏目漱石の『こころ』」という答えだったが、「一方で、『漆黒の叫び』『銀河鉄道の夜』などの長編小説では、全体のPLOTを完全に要約するには容量が不十分かもしれません」という回答。
ハルシネーション率は半減したということだったが、「漆黒の叫び」などという長編小説は存在しない。問いただすと、「申し訳ありません、『漆黒の叫び』は存在しない小説です。私が例として架空の長編小説のタイトルを挙げてしまいました。ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。小説のタイトルを創作することで、誤解を招く結果となってしまいました。次回から実在する小説作品の例示を心がけることで、このような誤りを避けたいと考えています。大変失礼いたしました」と謝罪した。
APIの採用により、開発者はClaudeを既存の企業APIやデータベース、Webサービスに接続できるようになる。
Claude 2.1は無料ユーザーも利用可能だが、20万トークンのコンテキストウィンドウはWebサイト経由のProユーザー(月額20ドル)限定だ。
関連記事
- OpenAI、改良版生成AIモデル「GPT-4 Turbo」を「GPT-4」より安価に提供へ
OpenAIは開発者会議DevDayで生成AIモデル「GPT-4 Turbo」を発表した。パフォーマンス最適化でGPT-4と比較してトークンの価格を大幅に値下げした。また、トレーニングデータを2023年4月までにした。 - AnthropicのAIチャット「Claude 2」、日本語に対応
GoogleやAWSが出資するAnthropicのAIチャット「Claude 2」が日本からも利用可能になり、日本語を含む95カ国語に対応した。 - Amazon、OpenAI競合のAnthropicに最大40億ドル投資 AWSでモデル開発
Amazonは、OpenAI競合のAnthropicと生成AI推進の戦略的提携を結び、最大40億ドルを投資すると発表した。AntrhopicはAWSでモデルの開発を行い、AWSの顧客に早期アクセスを提供する計画。 - Google支援のAnthropic、ChatGPT競合ツールで超長文プロンプト入力可能に
生成AIを手掛けるAnthropicは、汎用チャットbot「Claude」のコンテキストウィンドウを従来の9000トークから10万トークンに拡張した。これにより、7万語以上の長文プロンプトを投げられるようになった。競合するOpenAIの「ChatGPT」のLLM「GPT-4」の最大モデルでも3万2000トークンだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.