iPhoneの新機能は本当に危険? 連絡先共有できる「NameDrop」巡る誤解がSNSで拡散 そのワケは:この頃、セキュリティ界隈で
iPhoneのユーザー同士で手軽に連絡先情報を共有できるiOS 17の新機能「NameDrop」を巡り、自分の情報が勝手に共有されてしまうかもしれないといった誤解がSNSで広まった。一体なぜこれらの投稿は広まったのか。
iPhoneのユーザー同士で手軽に連絡先情報を共有できるiOS 17の新機能「NameDrop」を巡り、自分の情報が勝手に共有されてしまうかもしれないといった誤解がSNSで広まった。しかしそうした投稿は不正確だとして注意喚起が表示されるようになり、専門家も知らないうちに情報が共有されることはあり得ないと指摘している。
NameDropはAppleが9月に配信したiOS 17で登場した新機能。手持ちのiPhoneを相手のiPhoneやApple Watchの上部に近付けると、連絡先共有の画面が表示され「受信のみ」または「共有」ボタンをタップすると共有が完了する。
きっかけは米国警察の呼び掛けだった
デマ投稿が広まったきっかけは、米国各地の警察が重要なプライバシー問題として、この機能を無効にするよう市民に呼びかけたことだった。
例えばペンシルベニア州のチェスター警察は11月下旬「iPhoneでiOS 17の更新を行った場合、NameDropという新機能が初期設定で有効になっています。この機能では、iPhone同士を近づけただけで連絡先情報が共有できます」とFacebookに投稿し、NameDropを無効にする方法を紹介した。子供のiPhoneについても「安全を守るために」この設定を変更するよう念押ししている。
同じような内容は米国各地の警察などのSNSに相次いで掲載され「人混みの中にいると自分の情報が共有されてしまうかもしれない」などの誤った情報も飛び交った。
しかしこうした投稿はその後削除され、X(元Twitter)上では「誤解を招く可能性があると判断されました」という注意書き(コミュニティノート)が表示されるようになっている。
専門家も「個人情報が盗まれることはあり得ない」と指摘
NameDropが初期設定で有効になっているのは確かだが、AFP通信のファクトチェック情報によれば、NameDropを使って連絡先を共有できるのは、ロックを解除した状態でiPhone同士を近づけて、画面に表示されたボタンをユーザーがタップした場合のみ。Appleも「連絡先情報は意図した相手とのみ共有される。ユーザーは共有したい情報と共有したくない情報を選択できる」と説明しているという。
しかも、連絡先情報を共有するためには、iPhoneやApple Watchを互いに数cmの距離まで近づける必要がある。その際にiPhoneのロックが解除されていなければNameDropは作動せず、ユーザーが「受信のみ」または「共有」のボタンをタップしない限り、自分の連絡先情報が共有されることも、相手の情報を受信することもない。
サイバーセキュリティ専門家も、ロックを解除したままのiPhoneを自分の目の届かない場所にうっかり放置したりしない限りは、この機能が他人に悪用されて個人情報が盗まれることはあり得ないと指摘しているという。
それでもNameDropを無効にしたい場合は、iPhone「設定」アプリの「一般」「AirdDrop」の画面で「デバイス同士を近づける」をオフにする。
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