認知症ケアの研究から生まれたテレビ用スピーカー、ビックカメラなどで販売開始
ピクシーダストテクノロジーズとシオノギヘルスケアは27日、テレビの音声を40Hz変調音に加工する外付けスピーカー「kikippa(ききっぱ)」をビックカメラで販売すると発表した。
ピクシーダストテクノロジーズ(東京都千代田区、以下PxDT)とシオノギヘルスケアは2月27日、テレビの音声を「ガンマ波サウンド」と呼ぶ40Hz変調音に加工する外付けスピーカー「kikippa(ききっぱ)」をビックカメラの10店舗やECサイトで販売すると発表した。価格は無期限サービス料込みで9万9000円。
2022年6月に両社が発表した「音の刺激による脳の活性化と認知機能の改善」をテーマにした共同研究で開発したスピーカー。テレビのイヤフォンジャックにつなぎ、「ガンマ波サウンド」ボタンをオンにすると、独自のアルゴリズムでテレビ音声に含まれる部分信号に40Hzの振幅変調を行い、加工した音声を出力する。
いわゆる“お手元スピーカー”としても使えるが、40Hz変調をオンにした時の音は「個人差があるが、ブルブルした震えるような音に聞こえたり、あるいは慣れるまでは多少耳ざわりな音に感じられる場合もある」(シオノギヘルスケアのFAQより)という。シオノギヘルスケアのWebサイトで音声サンプルを公開している。
両社の共同研究は、米マサチューセッツ工科大学のLi-Huei Tsai博士らの研究グループによる、40Hz変調した音や光による刺激でマウスの脳内にγ波を出すことで、アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβが有意に減少したという研究結果に基づく。米国ではパルス音を使った認知症予防の研究も行われているが、テレビの音を加工することで日常的に刺激を与えられる環境を作る狙いがある。
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