欧州委員会、Alphabet、Apple、Metaを対象に初のDMA(デジタル市場法)違反調査開始
欧州委員会は、Googleの親会社Alphabet、Apple、Metaの米企業3社を対象に、DMA(デジタル市場法)に基づく調査を開始したと発表した。DMAに基づく調査はこれが初。違反と判断された場合の罰金は、世界での売上高の10%だ。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は3月25日(現地時間)、Googleの親会社である米Alphabet、米Apple、米Metaを対象に、DMA(デジタル市場法)に基づく不順守に関する調査を開始したと発表した。DMAに基づく調査はこれが初だ。
DMAは、3月7日に施行された、大企業の市場支配力を抑制し、健全な競争を促すことを目的とする法。市場支配力のあるプラットフォーマーを「ゲートキーパー」とし、まずはAlphabet、米Amazon、Apple、中国ByteDance、Meta、米Microsoftの6社を指定している。
各社はDMA施行前に、順守するための報告書を提出しており、この調査はその報告書での改善提案を踏まえての調査になる。
Alphabetについては、アプリ開発者がGoogle Playストア以外でアプリを販売することを不当に規制している(アンチステアリング)可能性と、Google検索結果の表示での「自己ひいき」について調査する。
Appleについては、Google Store同様のApp Storeでのアンチステアリングと、同社製品でのWebブラウザや検索エンジンの選択に関する措置について調査する。
Metaについては、同社が昨年11月に欧州で開始したInstagramとFacebookの広告非表示のサブスクリプションサービスについて調査する。この、サブスクリプション料金を支払うか広告を表示するかをユーザーに選ばせる二者択一方法は、ユーザーが支払いを選ばなかった場合に個人データ蓄積を防止するというDMAの目的を達成できないと指摘した。
欧州委員会はまた、Amazonに対し、プラットフォーム上で自社ブランド製品を優先している可能性があるとして情報を求めているとも発表した。
調査は12カ月以内に終了する見込み。企業がDMAに違反したことが判明した場合、世界での売上高の最大10%の罰金を科す可能性がある。違反が繰り返された場合、罰金は20%になる可能性がある。
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