“自分で掃除するトイレ”まもなく登場 その仕組みと気になるランニングコストをLIXILに聞いた:知らないと損!?業界最前線(2/4 ページ)
自動洗浄機能を搭載するトイレは複数メーカーから登場しているが、6月発売予定のLIXIL「SATIS X」は、自動洗浄機能を組み合わせ、目に見えない汚れも落とすという。さらに便器の構造から再設計したこのトイレについて、構造や自動洗浄の仕組みを製品担当者に聞いた。
トイレが自動で能動的に掃除してくれる
SATIS Xには、大きく分けて4つの洗浄機能がある。それが、「極みトリプル水流」「泡クリーン」「ノズルオートクリーニング(パワフル)」「シャッタークリーニング」と呼ぶ機能だ。
「極みトリプル水流」は、水を便器の3方向から出してムラなく行き渡らせ、汚れを洗い流す仕組み。通常のトイレは、本体後方の1カ所から水が出て汚れを洗い流すのに対し、SATIS Xでは中央と左右から従来より勢いのある水を出す(後述)。便器自体を開発・製造する同社だから実現できた機能だ。
そして毎日、サボることなく、自動で便器のお掃除をしてくれるのが「泡クリーン」機能だ。これは深夜などの設定した時間に、洗剤液を便器内に旋回させて広げ、さらに3時間漬け置く機能。この漬け置きによって、水だけでは落しにくい微生物やハウスダストなどの汚れも落とせるという。
「ノズルオートクリーニング(パワフル)」「シャッタークリーニング」は、トイレの使用後にノズルやノズルシャッターを洗い流す機能だ。4機能すべてが、現在特許出願中だという。
「今までのトイレの洗浄機能は、汚れがつきにくいであるとか、便座や便器に隙間が空けられるなどで掃除がしやすいというものでした。あくまでも“トイレ掃除は人間がやる”という常識は変わっていなかったのです。その点、SATIS Xは、トイレ掃除そのものを“トイレが自発的に、能動的に、自動で”やってくれます。これまでのトイレとの1番の違いだと考えています」(田中さん)
LIXILでは、水回り・タイル事業の100周年(前身となる伊那製陶の設立から)を記念し、次の100年に向け、清掃性を高めることで忙しい現代人の暮らしにゆとりをもたらす新しいトイレとしてSATIS Xを提案していくという。
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