「頭なんて飾りです」「実はジオン好き」──エンジニアの本音も飛び出した“動くガンダム”最終起動実験(2/2 ページ)
横浜・山下ふ頭の“動く実物大ガンダム”が3月31日、フィナーレを迎えた。最後のイベントは生配信され、6万4000人以上が見届けた。
全員ジオン軍が好きだった
動くガンダムのプロジェクトが終了した後はどうするのか。石井さんは「今回は安全性、開発期間、コストの問題でできなかったが、次は“搭乗型”に挑戦してみたい。このプロジェクトは良いチームで進めることができたので、それを次につなげたい」と話す。
動くガンダムの開発メンバーは、GOI(ガンダムオープンイノベーション)公認プロジェクトの1つ「モビルスーツの社会実装に向けた新しい操縦ロボットのプロトタイピングプロジェクト」にも参加している。このプロジェクトでは、まず小さな操縦型ロボットの試作に挑戦する予定だ。将来的には大型汎用操縦機械──つまりモビルスーツの実用化を目指すという。
「ここにいる全員、ジオンが好きなので、なかなか許可は下りないけれど、ぜひ“動くザク”に挑戦してみたい」(石井さん)。吉崎さんは「(動くガンダムの)プロジェクトを通じて目標がはっきりした」と話す。「やって分かったのは、脚は必要だなってこと」。
対談の後に登壇した富野由悠季監督は「良い経験ができた。動くガンダムをやったおかげで具体的な学びがあった」と評価。その上で「技術面ではかなり多くの会社に協力いただいた。3人の方だけではなく、膨大な数のスタッフが汗水流したことで実現できた」と労った。
動くガンダムが最後の起動実験(デモンストレーション)を終えると、花火や歴代ガンダムの名曲をバックに約1000機のドローンが夜空にキャラクターやメッセージを描くショーでフィナーレを彩った。その模様は、YouTube「ガンダムチャンネル」のアーカイブで視聴できる。
動く実物大ガンダムはこの後、いったん解体して倉庫に保管されるという。なお、25年開催の大阪・関西万博から熱いラブコールを受けているが、GGCは今後の予定について「未定」としている。
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