電話で認知機能をチェックできるAIサービス、NTTコムが正式提供 「電話は高齢者が慣れ親しんだインタフェース」
電話で話した内容から脳の健康状態を確認できる法人向けAIサービスを、NTTコミュニケーションズがリリースする。トライアル提供していた個人向けサービスを法人向けに本格展開したもので、法人版の提供に伴い個人向けサービスは提供を終了する。
NTTコミュニケーションズは、電話で脳の健康状態を確認できる法人サービス「脳の健康チェック」の提供を4月4日から開始すると発表した。もともと個人向けにトライアル提供していたもので、電話とAIを活用することで、短時間で脳の健康状態をチェックできるとしている。
ガイダンスに従い複数の質問に回答すると、電話越しですぐに結果が返ってくる。脳の健康状態の判別はAIが行い、回答内容や発話中の沈黙、声の高さなどに基づき複合的に認知機能をチェックできるという。
同社は「電話という高齢者が慣れ親しんだインタフェースにより短時間で、どこでも、簡単に脳の健康チェックが実施できる」としている。
結果は電話越しでの回答の他、SMSにも送信可能。利用履歴の確認ができるWebサイトも用意し、結果に関するアドバイスも提供する。Webサイトは、利用者の多くを占める高齢者にも使いやすいUIを実現したという。
自治体や保険業などの導入を想定し、住民や加入者などの状況を把握することで、必要にに応じた認知症予防のイベント企画や新しい保険商品の考案などにもつながるとしている。
NTTコミュニケーションズは、無料の「脳の健康チェックフリーダイヤル」と有料の「脳の健康チェックplus」を個人向けにトライアル提供してきた。今回の法人版は、両サービスの反響を受けて開発されたもので、個人向け機能に加えて管理者向けに利用者の状況を把握できるダッシュボードも提供する。
なお、法人向け「脳の健康チェック」の提供に伴い、トライアル提供してきた個人向け両サービスについては、6月30日をもって提供を終了する。
今後はサービス提供を通し、同サービスのコンセプトである「認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会へ」の実現に挑戦していくという。
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