角川大映スタジオ、バーチャルプロダクション特化の新スタジオ開設 ソニー製LED採用の6Kスクリーン
角川大映スタジオは4月1日、バーチャルプロダクションなどバーチャル撮影に特化した新スタジオ「シー・インフィニティ」を、調布スタジオ内に開設したと発表した。
角川大映スタジオは4月1日、バーチャルプロダクションなどバーチャル撮影に特化した新スタジオ「シー・インフィニティ」を、調布スタジオ内に開設したと発表した。
「シー・インフィニティ」は、旧No.Cスタジオを全面改修し、中心となる撮影エリアに約6Kサイズのソニー製高精細LEDディスプレイ「Crystal LED VERONA」を設置した。パネルは幅15m×高さ5mで、解像度は6480×2160ピクセル(ピクセルピッチは2.31mm)。キャビネット数(ユニット数)は300基におよぶ。
同ディスプレイは電動ウインチで最大2.2mの範囲で昇降でき、撮影のアングルやセットの高さを自在に変更できる。従来のバーチャル撮影で課題となっていた撮影環境の制約を大幅に解消したという。
撮影に使用するカメラはソニーの「VENICE 2 8K」を導入。メディアサーバはソニーPCL製「ZOET4」、LEDプロセッサーは「Brompton Tessera SX40」、モーションキャプチャシステムは「Mo-Sys StarTracker Max」を採用している。
バーチャルプロダクションは、LEDディスプレイに映し出された3DCGの仮想背景の前に実際の撮影対象を配置し、一体化した映像を撮影する手法。角川大映スタジオでは長年培ってきたリアル美術製作の技術と、デジタル美術を融合させた仮想空間を構築。VAD(Virtual Art Department)によるプリビズなどのテック分野でのサービスも開始するという。
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