Microsoft、日本の生成AI・クラウドに大型投資 AI研究所も開設 過去最大4400億円
米Microsoftは、今後2年間で29億ドル(約4400億円)を投資して日本のAIインフラとクラウドコンピューティングを増強すると、岸田首相の訪米に合わせて発表した。
米Microsoftは4月10日(現地時間)、日本のAIインフラとクラウドコンピューティングを増強するため、今後2年間で29億ドル(約4400億円)を投資すると発表した。
最新のGPUを含む高度なコンピューティングリソースを日本で利用できるようにする他、AI研究施設「マイクロソフトリサーチアジアラボ」を新たに日本に開設。300万人にAIスキルを提供するプログラムも展開する。
左から岸田文雄首相、ブラッド・スミスMicrosoft社長、スザンヌ・P・クラーク・米商工会議所会頭、ラーム・エマニュエル駐日米国大使、津坂美樹・日本マイクロソフト社長(Microsoftのニュースリリースより)
国賓待遇で訪米中の岸田文雄首相に、Microsoftのブラッド・スミス社長が表敬訪問したタイミングで発表した。29億ドルはMicrosoftの日本への投資で過去最大。AIとクラウドインフラへの投資は、従来の倍になるという。
中国・北京に拠点がある「マイクロソフトリサーチアジアラボ」の第2弾を東京に開設。実世界で活用できるAIやロボティクス、日本のニーズに沿った研究などに焦点を当てる。
今後3年間で300万人以上にAIスキルを提供することを目指し、デジタルスキリングプログラムを拡大。女性や開発者、学生向けのプログラムを提供する。日本のAI開発者向けにはコースやリファレンスアーキテクチャも提供する。
国内の生成AIの開発力強化を目指して経済産業省が主導する「GENIAC」(Generative AI Accelerator Challenge)への支援を通じ、日本の生成AIスタートアップなどの基盤モデル開発をサポートする。
サイバーセキュリティ面でも政府と連携。内閣官房と協力し、政府や企業、社会のサイバーセキュリティのを強化する。
岸田首相は「Microsoftによる日本への新たな投資の発表に感謝します」などとコメントを寄せている。
関連記事
- MicrosoftとOpenAI、1000億ドル規模のデータセンター計画か
米Microsoftと米OpenAIは、事業規模が最大で1000億ドルとなるデータセンターの建設を計画している。AI用スーパーコンピュータ「スターゲート」が含まれ、2028年の運用開始を目指す。ハイテク系ニュースサイト「The Infomation」が報じた。 - Microsoft、ロンドンに新AI拠点開設 トップには元DeepMindとInflectionの幹部
Microsoftは英ロンドンに「Microsoft AI」の新拠点を開設したと発表した。トップにはDeepMindとInflectionでAIエンジニアを務めたジョーダン・ホフマン氏を迎える。 - Microsoft、中国のAIによる選挙操作を具体例で再警告
Microsoftは、中国が地政学的利益を高めるために世界の有権者の分断化を実験し、AIコンテンツを強化していると警告した。台湾総統選挙中にSNSに投稿された偽画像などの具体例を紹介している。 - 「Copilot for Microsoft 365」に「GPT-4 Turbo」優先アクセスなどの新機能
Microsoftは、「Copilot for Microsoft 365」での「GPT-4 Turbo」への優先アクセス、会話数の制限撤廃、画像生成の際のブースト増などのアップデートを発表した。 - 米下院、職員による「Copilot」使用禁止に 生成AIによる業務支援機能
米議会下院が職員に対し、米Microsoftの生成AI支援機能「Copilot」の使用を禁止したことが分かった。米ネットメディア「Axios」が報じた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.