改正NTT法成立 KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが連名で「強い懸念」表明
17日に国会で成立した改正NTT法に対し、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの通信3社が連名で見解を公開、「強い懸念」を表明した。問題視したのは法律そのものではなく、“附則”だ。
4月17日に国会で成立した改正NTT法(日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律)に対し、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの通信3社が連名で見解を公開。「強い懸念」を表明した。
改正NTT法は、17日の参議院本会議で可決、成立した。主な変更点は、NTTの研究成果の開示義務の廃止や外国人役員の規制緩和など。ただし、3社が問題視したのは法律そのものではなく、“附則”だ。
附則は、法律に付随して必要なことを記したもので、例えばその法律の効力発生時期や、移行を円滑にする経過的な措置などを規定することが多い。また、今後の検討条項(見直し規定)が書かれることもある。
通信3社は、附則に「日本電信電話株式会社等に関する法律の廃止を含め」検討すること、そして「令和七年に開会される国会の常会を目途」と時期的な目標も書かれていると指摘。「あらかじめ法制度のあり方を方向づけるとともに拙速な議論を招きかねず、極めて強い懸念があります」という。
また、引き続きNTT法の廃止には反対する姿勢を示し、「より慎重な政策議論が行われることを改めて強く要望します」としている。
改正NTT法を巡る議論とは?
NTT法の改正は、もともと政府が防衛費を確保するために保有するNTT株式を売却する案を発端として浮上したが、2023年の秋ごろから改正案の内容とNTT法そのものの存在意義について、NTTと競合の通信3社の間で議論が白熱している。11月には、NTT広報室と通信3社がSNS上で激論を繰り広げるという珍しい一幕もあった。
NTT側の主張は、研究開発の開示義務廃止やユニバーサルサービスの見直しなどにより、NTT法はその役割を終えるというもの。一方の通信3社は、NTTが電電公社時代に税金を投じて作られた“特別な資産”を継承している以上、NTT法は維持すべきと主張している。
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