ボーイング「スターライナー」打ち上げ延期 イーロン・マスク氏がXでチクリ 背景に10年前の出来事
ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」を載せたAtlas Vロケットの打ち上げが延期された。これに対し、マスク氏は「スペースXは4年早く開発を終えた」とXに投稿した。
NASAと米United Launch Alliance(ULA)は、5月6日(米国東部時間)に予定していた米Boeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」を載せた「Atlas V」ロケットの打ち上げを延期した。初の有人飛行を目指すボーイングにとって、遅れている計画の巻き返しを図る重要なミッションだった。これに対し、米Space Xのイーロン・マスク氏は「スペースXは4年早く開発を終えた」とXに投稿している。
延期の理由は、打ち上げに使う「Atlas V」ロケット第2段の液体酸素逃がし弁の不具合だった。Atlas Vを運用する米United Launch Alliance(ULA)は、同日中の再挑戦はしない方針を明らかにしている。Atlas Vにとっては、ちょうど100回目の打ち上げになる予定だった。
マスク氏は、米国のテクノロジー専門誌「Ars Technica」の記事を紹介するポストを引用しながら「ボーイングは宇宙飛行士カプセルの開発のために42億ドルを獲得した。スペースXは26億ドルしか得られなかったが、スペースXは4年早く開発を終えた」という。この記事には、およそ10年前、NASAが商業乗員輸送プログラムの委託企業を選ぶ際に、当時「お気に入り」だったボーイングに予算の多くを割り当てたエピソードを紹介している。
しかし現状は、26億ドルしか得られなかったSpaceXが圧倒的にリードしている。4年前にISSまで宇宙飛行士を運ぶことに成功し、それ以外にもISSとの間で14回の運用ミッションをこなした。一方のボーイングは運用ミッション6回にとどまる。乗務員カプセルの開発も遅れ、今回が初の有人飛行となるはずだった。マスク氏は、「ボーイングには技術系ではないマネージャーが多すぎる」としている。
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