「iPad Pro」は高すぎ…… という人のために「iPad Air」は選択肢になりうるか 新モデルを先行レビュー(2/3 ページ)
炎上や価格など、いろいろな意味でiPad Proの注目度が高くなっている。その一方で、いざ自分が買うことを考えるとiPad Airが気になる……という人も増えているだろう。発売に先駆けて実機を借りられたので、新型Airの先行レビューをお届けしたい。
M2チップセットのパフォーマンスも十分
チップセットは先日まで、iPad Proに搭載されていたM2。
これまた、M4と数値上で比べれば見劣りがするが、プロ用アプリを除き、実際の用途で差がつく場面は少ないだろう。
なにしろ、ほんの半年ほど前まで、MacBook AirやMacBook Proにも使われていたM2だ。現行モデルでもMac miniに搭載されている。何の不足があるのだろうか。
もし、パフォーマンスに不足が生じるとしたら、たくさんの8K動画(たぶん8本以上)を同時に扱うとか、メモリ上に非常に多くのデータを置いて作業するとか(例えば、膨大なレイヤー数でイラストを描くとか)、レスポンスが非常に重要なゲームをするとか、そういう特殊な場合しか思いつかない。
そういう可能性がある人は、観念してiPad Pro(M4)を買うしかない。1TB、2TBモデルならメモリも16GBある。そうでなければほとんどの作業は、iPad Airで事足りると思うのだ。
お絵描きクラスタにはAirの13インチがオススメ
もちろん、日常的に多くの人が行う作業、つまり、文字を書くとか、プレゼン資料を作るとか、Webサイトを更新するとか、写真を加工するとか、(猛烈に高画素というわけではない)動画を編集するとかいう用途であれば、iPad Airは十分役に立つ。
今回、新たに13インチモデルも用意されたので、「大画面は欲しいけれど、Proでなくてもいい」という人がiPad Airを選べるようになった。
確かにディスプレイのクオリティに差はあるが、そもそもiPad Pro(M4)に搭載されているタンデムOLEDは、超高コントラスト、高彩度、デリケートな階調性の表現……などに長けており、これはどちらかというと写真や動画の編集作業で役に立つスペックだ。受け手が同じディスプレイで見るわけではないことを考えても、イラスト用途なども、iPad Air(M2)のLiquid Retinaディスプレイでカバーできるだろう。
となると、多くの絵師さんはiPad Air 13インチモデルを選択できるようになると思うのだが、いかがだろうか? もちろん、予算に余裕があるなら、薄くて美しいiPad Pro(M4)13インチを選択するに越したことはない。
絵を描く人にとってApple Pencil Proはマストバイ
むしろ、絵を描く人にとって、今回の発表の白眉はApple Pencil Proだと思う。これは、絵を描く人なら一度使うとやめられないほど便利だ。
Apple Pencil Proは、今回リリースされたiPad Pro(M4)とiPad Air(M2)でのみ利用可能。価格的にもApple Pencil(第2世代)と同じなのでリプレースされるようだが、相互に互換性はない。
このApple Pencil Proは外見上、ロゴ以外はApple Pencil(第2世代)と完全に同じ。しかし、スクイーズと、バレルロール、触覚フィードバックの3つの機能を持つ。このApple Pencil ProもiPad Air(M2)で使えるのだ。
強く握るとペン先に小さなメニューが現れ、そこからペン先や、色、太さを選択できる。筆者が試した状態ではまだ純正のアプリしか対応していなかったが、近々他のイラスト用アプリも対応するだろう。
バレルロールは、カリグラフィや平筆のような表現に便利な機能で、Apple Pencil Proが軸の回転方向の情報を持つというもの。触覚フィードバックは、これらの機能の動作をiPhoneなどにも搭載しているTapticエンジン(コツコツという振動を作り出す)で伝えるというもの。
いずれも便利なので、絵を描く人はぜひApple Pencil Proを検討していただきたい(旧型のiPadでは使えないので、今回発表されたiPad ProかiPad Airが必要になる点だけ注意)。
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