OpenAIでアルトマンCEO解任騒動の首謀者の1人で共同創業者のサツケバー氏が退社へ
OpenAIでの昨年11月のCEO解任騒動の首謀者とみられる共同創業者でチーフサイエンティストのイリヤ・サツケバー氏が退社する。「個人的に意味のあるプロジェクトを始める」としている。
米OpenAIは5月14日(現地時間)、共同創業者でチーフサイエンティストを務めるイリヤ・サツケバー氏(38)が退社すると発表した。後任は、主任研究員のヤクブ・パチョッキ氏。
サツケバー氏は、米Googleのリサーチサイエンティストを約3年務めた後、2015年にサム・アルトマン氏、イーロン・マスク氏らとともにOpenAIの立ち上げに参加し、2018年からチーフサイエンティストを務めてきた。
グレッグ・ブロックマン社長によると、サツケバー氏は昨年11月に突如発生したアルトマンCEOの解任騒動の中心的人物の1人。アルトマンCEOの復帰後もチールサイエンティストとして在任していたが、表立った発表などには参加していなかった。13日の「GPT-4o」の発表イベントにも登壇していない。
アルトマン氏は公式ブログで「イリヤ(サツケバー氏)は間違いなく私たちの世代で最も偉大な頭脳の1人であり、私たちの分野の指導者であり、親愛なる友人だ」と語った。
サツケバー氏は自身のXで、OpenAIは現在のリーダーシップの下「安全で有益なAGIを構築してくれると確信している」と語り、自身については「非常に個人的に意味のあるプロジェクトを始めるので、詳細は後日発表する」としている。
後任のパチョッキ氏はカーネギーメロン大学で理論計算機科学の博士号を取得し、2017年からOpenAIで研究に取り組んできた。アルトマン氏はパチョッキ氏について「間違いなく私達の世代で最も優れた頭脳の1人」と評価した。
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