米最高裁は6月26日(現地時間)、米連邦政府がSNS企業に誤情報を削除するよう働きかけたのは違憲だとする訴えを退けた。
この訴訟は、バイデン政権関係者が、コロナウイルスワクチンや米大統領選の不正に関する投稿の削除をSNSのプラットフォーム企業に要請したことは、表現の自由を保障する合衆国憲法修正第1条に違反するとして、ミズーリ州とルイジアナ州の司法長官(いずれも共和党)がバイデン政権を提訴したもの。
最高裁は、原告には提訴するために必要な直接的な損害がなく、訴訟を起こす資格(standing)がないと判断し、第五巡回区控訴裁判所の判決を覆した。判決は6対3の評決だった。
連邦最高裁判事のエイミー・コニー・バレット氏は、「原告は、自らの損害と被告の行為との間に具体的な関連性を示すことなく、異なる政府機関に属する数十人の連邦政府関係者と、異なるSNSプラットフォーム企業との間で、異なるトピックについて行われた、長年にわたるやり取りを最高裁に審査するよう求めている」とし、「最高裁は、他の政府機関に対するそのような一般的な法的監視を行うことを禁じている」と語った。
なお、裁判所は意見書で、この訴訟の被告はバイデン政権であってSNS企業ではないので、たとえ被告に投稿削除要請への差止命令が出ていたとしても、SNS企業が独自の方針で投稿を削除することは禁止できなかったとしている。
この判決は、SNSとユーザーの関係に大きな影響を与える可能性がある。政府がプラットフォームに圧力をかけて特定のコンテンツを抑制するように仕向けられる可能性があるという懸念が高まっている。一方、プラットフォーム企業は、誤情報や有害なコンテンツの拡散を防ぐために、独自の判断でコンテンツモデレーションを行う権利を主張している。
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