「アルバイト募集中」──Xにいる“同じプロフィール”アカウントの正体は? LINE登録して聞いてみた(3/3 ページ)
最近、記者のXアカウントに複数の怪しいアカウントからのフォローリクエストが送られてきた。その全員が同じプロフィールという奇妙な状況に興味がわいた記者は、このアカウントたちとコミュニケーションを取ってみることにした。
「私もあなたと同じように以前は社員でした。私は半年の努力で昇進してInMobiガイドになりました。研修担当社の新入社員」(原文ママ)
やはりよく分からない回答である。ドメインが異なる理由についても聞いたが「inmobi.comは当社の募集公式サイトであり、inmobi-〇.comは仕事のプラットフォームです。仕事のプラットフォームは、公式サイトから協力関係を築いたアプリ商家が彼らの製品の評価データを向上させるのを助ける主に役立ちます」とのこと。
この他にも「携帯電話番号が分からないけど、どうすればいい?」と聞くと「テレホンカード事業者に電話して問い合わせください」と返事があったり、「昨日の夕食は何を食べましたか?」と聞くと「ラーメンみそ汁にエビフライもあります」などと回答してくれた。どうやら汁物が好きなようだ。
なお、大和晴子が勝手にInMobiの名前を使っている場合も考えられる。そのため、InMobi Japanにもこの件についてメールで問い合わせをしている。こちらも返事があり次第、追記する。
楽して稼げる仕事なんて……
もはや言わずもがなであるが、大和晴子が案内している話に乗ると、犯罪に巻き込まれる可能性が高い。国民生活センターでも今回の件に似た詐欺の手口を紹介しており、簡単に稼げるという副業には注意するよう促している。
手口としては、電話番号などを登録した人に対して、副業に関するマニュアル代やサポート費用と称して代金を請求するという。特に20代の被害者からの相談が国民生活センターに寄せられており、具体例なども紹介している。
国民生活センターはトラブル防止のポイントとして「『簡単に稼げる』『もうかる』ことを強調する広告やランキングサイトをうのみにしない」「作業内容や利益が出る仕組みがよく分からなければ契約しない」「少しでも不安に思ったら早めに消費生活センターなどに相談する」などを挙げている。
LINEにも注意喚起の仕組みはあり、友だち登録画面には「LINEを悪用した詐欺にご注意ください」という文言と、詐欺の詳細を説明したWebページへのリンクが表示される。
今回の調査の結果、やはり見知らぬアカウントからの急なアプローチには注意をしたほうがいいということが改めて分かった。楽して稼げる仕事なんて、そんな簡単に見つけられるわけがないのだ。熱い夏が到来し開放的な気分になる人もいるかもしれないが、甘い誘惑にはご注意を。
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