バッテリー駆動の「ポータブルクーラー」を検証、“真夏日の部屋”はどのくらい冷える?:知らないと損!?業界最前線(4/4 ページ)
近年の猛暑の影響で、エアコンは今や生活必需品だ。そこで今回は、工事不要で使えるスポットクーラーのジャンルに新しく登場した“バッテリー駆動でどこでも使える”山善「コンパクトクーラー」を真夏日の30℃の室内で検証してみた。
洗面所やキッチン、アウトドアでも使える
本体サイズやパワーから見ても、6畳の部屋の室温を大きく下げるのは難しいと感じた。しかし、しっかりと冷風は出ているので、ピンポイントで涼しくすることはできる。実際、テスト位置の椅子に座るとしっかり冷気を感じられた。
ダクトが2本付属しているため、排気口と吹き出し口のそれぞれに装着できる。吹き出し口のダクトをサーキュレーターなどに向け、人に冷風が直接当たるようにして使っても良さそうだ。ポータブルなので、夏場に室温が上がりやすいカウンターキッチンの中や洗面所などでも使える。
本体重量は約8.5kgで、持ち運びのできる重さだ。キャスターなどはないもの、本体上部に大きなハンドルがあるのでしっかりと持てる。中肉中背の妻に持ってみてもらったところ、「階段の上げ下げはあまりしたくないけど、隣の部屋に運ぶぐらいは問題ない」との感想だった。両手で持てばそれほど負担は感じないという。
この可搬性とバッテリー駆動を生かして、アウトドアシーンでも利用可能。テントの中や車中泊の車内冷房としても活用できる。ただしバッテリーでの駆動時間は、1つ30分(冷風運転HI)と短いため、あくまで短時間での利用となるだろう。主にアウトドアでの利用を想定するなら、あらかじめ多数のバッテリーを充電しておくという使い方もできる。
大型のスポットクーラーと比べると「部屋を冷やしたい」というニーズにはやや力不足な面は否めない。しかし好きな場所に移動して冷風を送る、という使い方は非常に便利。しかも最大2時間ならコードレスで使える。熱中症リスクを低減するためにも、エアコンのない空間で過ごすときに活用したい製品だ。
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