バッテリー駆動の「ポータブルクーラー」を検証、“真夏日の部屋”はどのくらい冷える?:知らないと損!?業界最前線(3/4 ページ)
近年の猛暑の影響で、エアコンは今や生活必需品だ。そこで今回は、工事不要で使えるスポットクーラーのジャンルに新しく登場した“バッテリー駆動でどこでも使える”山善「コンパクトクーラー」を真夏日の30℃の室内で検証してみた。
30℃の室内で検証してみた
実際に、鉄筋コンクリートの集合住宅1階にある6畳の部屋でコンパクトクーラーを試用した。まずは室温約27℃の部屋で運転を開始。吹き出し口からの冷気の温度を計測したところ、約14℃だった。室温よりも10℃以上低い温度だったが、これはクーラーの周りの室温が低下したためだと考えられる。
続いて真夏日の日中に運転した。室温が30℃になったところで、コンパクトクーラーを稼働させてみた。部屋の入り口に本体を固定し、付属のダクトを本体後部に取り付けて、ドアから室外に向かって排熱した。付属の排熱ダクトは直径約10cmあり、その分ドアは開いたままになってしまうため、部屋は密閉できない。温度計は本体の吹き出し口から約1.5m離れた場所の椅子の上に置いた。運転モードは冷風運転HIだ。
このコンパクトクーラーは、本体の下部から空気を吸い込み、上部から冷気を放出する。風力はそれほど強くない。スタートから約30分の時点で温度計は約27℃に。その後1時間ほど様子を見たが、27℃から大きく下がることはなかった。
電源を入れると排気音が響く。動作音はメーカー公称値で約53dB(A)。Aは人間の可聴域を考慮した補正ありという意味。そして50dBを分かりやすく表現すると「役所の窓口周辺」「始動時のエアコン室外機周辺」の音量とされている。試用したところ、“会話はできるが、テレビを見たり音楽を楽しむのは少々厳しい”と感じた。音が気になる場合は本体を部屋の外や離れた場所に置いて、ダクトを吹き出し口に取り付けて使う方が良さそうだ。
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