閉館した「中野サンプラザ」の3Dモデル、中野区が無料公開 商用利用もOK
中野区は7月16日、2023年7月に閉館した「中野サンプラザ」の3Dスキャンデータを、オープンデータとして無償公開した。商用利用も可能で、「VR空間に中野サンプラザを蘇らせ、バーチャルツアーやコンサートを開催するなど、自由な発想でデータをご活用ください」としている。
中野区は7月16日、2023年7月に閉館した「中野サンプラザ」の3Dスキャンデータを、オープンデータとして無償公開した。商用利用も可能で、「VR空間に中野サンプラザを蘇らせ、バーチャルツアーやコンサートを開催するなど、自由な発想でデータをご活用ください」としている。
データは外観と建物内部(エントラス、コンサートホール、チャペル、レストランなど)をレーザースキャナなどを使って計測し、las形式の点群データを作成。これをもとに3Dモデルを作り上げた。データは、クリエイティブ・コモンズ(CC-BY4.0)に準拠しており、原作者(本データでは中野区)のクレジットを表示すれば、営利目的を含めて自由にデータを改変・複製・再配布できるという。
外観の計測には、航空測量センサーの「CityMapper-2」、ハンドヘルドレーザースキャナ「Hovermap ST-X」、LiDARセンサーを搭載した「iPhone 12 Pro Max」(ソフトウェアはPix4DCatch)を使用。建物内部は、Hovermap ST-XとiPhone 12 Pro Maxに加え、地上レーザースキャナ「Focus S350」、ハンドヘルドレーザースキャナ「ZEB−HORIZON」で行った。
データの公開だけでなく、閲覧用のWebビューアも用意する。3Dカメラ「Matterport」での撮影結果をもとに作成した360度ビューとドールハウスビューをWebブラウザ上で閲覧できる。公開期間は2027年3月27日まで。エントランス、コンサートホール(1/2階)、チャペル、レストランの様子を自由に眺めることができる。
データは、東京都オープンデータカタログサイトからダウンロード可能。なお、計測時に撮影した写真も公開している。中野区によると、本データ作成の狙いとして「中野のランドマークとして、音楽の殿堂として、多くの方から愛されたこの建物を、文化財としてアーカイブ化するため」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
解体始まる「中銀カプセルタワービル」を丸ごと3D化 保存プロジェクトがスタート
4月12日から解体が始まった故・黒川紀章氏が設計した「中銀カプセルタワービル」をまるごと3Dデータとして保存するプロジェクトが始動した。
全焼した首里城正殿、3Dモデルでよみがえる 東大の研究者ら、ネットで集めた写真・動画から制作
全焼した沖縄・首里城正殿の3Dモデルが完成。東大の研究者らが結成した「みんなの首里城デジタル復元プロジェクト」のチームが、ネットで集めた写真・動画を基に制作した。
「PLATEAU」って知ってる? 日本の都市を“完コピ”した無償3Dデータとゲームエンジンでできること
UnityやUnreal Engineといったゲームエンジンは、いまやゲームだけに使われるものではない。むしろこれからは、産業用途でいかに活用するか、という点が重要になってきている。
熱海の土石流災害、現場の3Dモデルを有志が公開 ドローン映像を基に作成
太平洋側での記録的な大雨の影響で7月3日に発生した、静岡県熱海市の大規模な土石流の発生現場を3Dで再現するTwitterユーザーが複数現れた。いずれもドローンの映像を基に作成したという。
沖縄企業が“バーチャル首里城”公開 焼失した正殿もVRで観光
VRやバーチャルYouTuber事業を手掛ける「あしびかんぱにー」が、沖縄の観光地を再現したVR空間「バーチャルOKINAWA」で、首里城エリアを公開する。PCやスマートフォンがあればいつでも“バーチャル首里城”を観光できる。



