「AI幹事」飲食店に大ウケ──開発者が明かす、誕生のきっかけと想定外の反響 人とAIの新しい関係は居酒屋で始まる?(3/4 ページ)
「AI幹事」が、飲食業界の注目を集めているようです。なぜ、AI幹事を作ろうと思ったのか、Gateboxとだるまジャパンにお話をうかがったところ、このサービスは絶妙なタイミングで登場したことが分かりました。
この取材時、実際に飲み物と食べ物を置いて、乾杯したり、飲んだり食べたりしながら、話をしていました。この会話の中にAI幹事が声をかけてくれるのが、ちょうどいい距離感でした。
例えば、AI幹事が声をかけてきても、話を進めたければ無視すればいいだけです。これが人に声をかけられると、話が止まってしまうでしょう。
タブレットで注文するのともまったく違う体験です。AI幹事は、なぜか人をニヤニヤさせる絶妙な存在感があります。
これまでの飲食店のDXというのは、基本的に「人がやってもいいこと」でした。対して、AI幹事がやっていることは、「人がやったら少しイヤミな感じになってしまうこと」です。
今後の発展次第では、お客さん個人の好みや過去の注文履歴を学習し、パーソナライズされたおすすめを提供することも可能でしょう。「前回はこの料理が好評でしたが、今回も試してみますか?」といった提案も可能になります。
SF映画にしかなかった「AIと酒を飲む」を実現
「人間とAIが自然に会話を交わしながら、楽しくお酒を飲む。それはまさに、SF映画の中でしか見られなかった光景です。でも、AI幹事はそれを現実のものとしました」。確かにそれは革新的です。
実際、AI幹事は単なる注文システムではありません。飲み会の参加者として、時にはジョークを言い、時には気の利いたコメントをしたりします。例えば、「皆さん、今日は忙しい中集まってくれてありがとう。1年の疲れを癒し、楽しい時間を過ごしましょう。それでは、笑顔で乾杯!」といった具合に、まるで本当の幹事のように振る舞ってくれます。
この「AIと一緒に飲む」という体験は、体験者の心に響いています。ある体験者は「最初は奇妙に感じたけど、飲んでいるうちにAI幹事が本当の仲間のように感じてきた」と言ったそうです。また別の体験者は「AI幹事のおかげで、誰も気をつかうことなく、自然に飲み会を楽しめた」とも評価したそうです。
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