日本のマーケターは生成AI活用に慎重? アドビ調査 過半数が活用も、利用率は英仏など7カ国中最低
日本のマーケターは、他国に比べ生成AI活用に慎重──アドビが8月7日に発表した調査結果から、こんな実態が浮き彫りになった。
日本のマーケターは、他国に比べ生成AI活用に慎重──アドビが8月7日に発表した調査結果から、こんな実態が浮き彫りになった。アドビは日本や英国、フランスなど7カ国のマーケターを対象に、生成AIの活用状況について調査。日本のマーケターによる生成AI活用率は54%で、他国平均の75%を下回った。
最も進んでいたのはインドで、計92%(「日常的に利用している」が66%、「実験的に利用している」が26%)が生成AIを活用していた。2位のオーストラリアでは79%(同44%、35%)、3位のドイツでは78%(同34%、44%)だった。4位のイギリスは69%(同30%、39%)、フランスは67%(同31%、36%)、米国は65%(同24%、41%)。日本は54%(同29%、25%)で、調査対象国中最下位だった。
アドビによれば、日本のマーケターは生成AIを会議の文字起こしや議事録作成、データ分析などに社内向けに活用する傾向にあり、社外に向けた画像の生成に活用するケースが他国に比べ少ないという。
実際に対象となる7カ国を比較したところ、画像を生成する目的でAIを活用する企業が最も多いのはインド(61%)、2番目はイギリス(48%)、3番目はドイツ(47%)だった。日本は27%と最下位だった。
生成AIを使う日本のマーケターにも具体的な用途を聞いたところ(複数回答可)、最も多いのは会議の文字起こしや議事録作成(39%)、次いでデータ分析や消費者のインサイト分析(37%)、マーケティングコンテンツの文言作成(35%)と、社内向けでの活用が多く見られた。画像生成の活用は上位に入らなかった。
一方、アドビは日本の消費者向けにアンケートを実施した結果、回答者の52%が「生成AIの活用は有用である」と答えたとして、日本でも「顧客向けコンテンツ制作に生成AIを活用することで、競合他社と差別化した顧客体験提供の機会があると考えられる」とした。
調査は2月から5月にかけてネットで実施。日本、米国、英国、フランス、ドイツ、インド、オーストラリアのマーケター2834人(日本からは400人)を対象に実施した。消費者向けの調査は8163人(うち日本の消費者は1000人)を対象にした。
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