流星とオーロラの共演、YouTubeの生配信でも なよろ市立天文台「非常に驚いている」
12日に極大を迎えたペルセウス座流星群。今年は月明かりのない絶好の観測機会だったが、北海道の一部地域ではオーロラも観測され、珍しい流星とオーロラの共演が話題になった。
8月12日に極大を迎えたペルセウス座流星群。今年は月明かりのない絶好の観測機会だったが、北海道の一部地域ではオーロラも観測され、珍しい流星とオーロラの共演が話題になった。なよろ市立天文台きたすばるのYouTube生配信にもそれははっきりと映し出されていた。
折しも10日に発生した地磁気嵐により、日本のような中緯度地域でもオーロラが観測できる可能性が高まっていた12日。なよろ市立天文台は、午後3時過ぎに公式Xアカウントで「今日はもともとペルセウス座流星群の中継をする予定でしたが、(多分)日本初のペルセウス座流星群と低緯度オーロラのダブル中継になるかもしれません。中継カメラの向きは北側で決定です」とポストした。
ライブ配信は、まだ空がほのかに明るい午後7時ごろにスタート。空が暗くなると、画面の下側が赤く光っているのが確認できるようになった。なよろ市立天文台の村上恭彦台長によると「林の木の上のずっと赤くなっている部分は低緯度オーロラです」。ただし、たまに瞬間的に赤く発光するのは天文台の駐車場に入ってきた車のテールライトだという。
流星の数も期待を裏切らないものだった。「係数観測はしていないのではっきり言えませんが、YouTubeの配信内だけなら1時間で10個は写っているかと思います」。
また、なよろ市立天文台では観測会を開催し、多くの人が肉眼でも流星とオーロラを楽しんだ。「一般のお客様はもっと広い範囲を見ていますが、肉眼でとらえられるのはカメラ(YouTube配信)より少なくなると思います。それでも、お客さんの話では、1時間に5〜10個程度見たという話でした」(村上さん)
北海道では、2023年12月1日や、大規模な太陽フレアが連続して発生した今年5月にも赤く見える低緯度オーロラが観測され、関心が高まっていた。それがちょうどペルセウス座流星群の極大と重なり、多くの天文ファンや写真家を引きつけている。
村上さんは「毎年起こるペルセウス座流星群は多くの方が夜空を見上げる機会であり、そのような時に低緯度オーロラという現象も起きたことで、その低緯度オーロラに関する関心も持ってもらえたかと思います。この2つが同日に重なることは大変珍しいことで私どもも、非常に驚いているところです」と話している。
なお、NICTの宇宙天気予報によると、地磁気嵐は13日も継続中。オーロラが観測できるかは分からないが、なよろ市立天文台では13日も午後8時からペルセウス座流星群のライブ配信を行う予定だ。
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