行政事業の「カネの流れ」丸分かり 誰でも見られる“見える化サイト”内閣官房がスタート
内閣官房が、各府省庁による事業を点検し、その結果や予算の流れを公表する「行政事業レビュー」を一カ所にまとめたサイト「行政事業レビュー見える化サイト」を公開した。府省庁を横断して行政事業レビューを検索したり、サイト内でグラフ化の上、データを分析したりできる。
内閣官房は8月30日、各府省庁による事業を点検し、その結果や予算の流れを公表する「行政事業レビュー」を一カ所にまとめたサイト「行政事業レビュー見える化サイト」を公開した。府省庁を横断して行政事業レビューを検索したり、サイト内でグラフ化の上、データを分析したりできる。
行政事業レビューは各府省庁が予算や基金を用いて行う事業を対象に、原則として毎年度行っており、翌年度の予算要求や事業の執行時にも参照される。ただし、これまでは表計算ソフトで作成されたものが各省庁のサイトで別々に公開されており、参照性に欠けていた。
行政事業レビュー見える化サイトでは、2021年度以降、国が実施した事業のデータを掲載。府省庁を横断して目当ての事業に関する情報だけを検索できる。各事業のページでは資金の流れなどが図表としてまとめられている他、一部のデータはサイト上でグラフや表にして確認・分析することも可能だ。
例えば政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」については、関連する事業を関係省庁である総務省・デジタル庁双方の情報から検索可能。さらに、事業に採択されてクラウドサービスを提供する米Amazon Web Servicesや日本マイクロソフト、その他システム開発・移行などを担うSIerなどに、どれだけの資金がどのように流れているかも図表で確認できる。
システムは自治体向け経営管理システムを手掛けるWiseVine(愛媛県松山市)が開発。同社の経営管理SaaS「WiseVine Build & Scrap」をベースにカスタマイズを施した。WiseVineによれば、府省庁職員によるデータ入力から国民への公開までが同サービス内で完結するため、ファイル管理などの手間が効率化にもつながる施策という。
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