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「自然災害不安」にポータブルバッテリーを 新製品を大量投入したECOFLOWを“防災目線”で見る小寺信良のIT大作戦(3/5 ページ)

8月の発表会で新製品を大量投入したポータブルバッテリー大手の中国ECOFLOW。地震や台風など災害意識の高まりにつれ、ポータブルバッテリーへの注目度も上がっている。今回は特に防災目線で、ECOFLOWの新製品をチェックしてみたい。

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持って逃げるなら「River 3」

 「River 3」は、同社ポータブルバッテリーではもっとも小型だった「River 2」の後継機で、入出力の仕様は変わらず、さらに小型化を進めたモデルだ。容量は245Whで、River 2の256Whのおよそ95%と、少なくなっている。


前作River 2(右)よりも大幅に小型化されたRiver 3

 ただ、AC/DCインバータに窒化ガリウム(GaN)を採用した。昨今では小型ながら大出力が出せるACアダプター(USB充電器)が登場しているが、これらはGaNを採用している。GaNは従来のシリコン型に比べて小型できるのに加え、変換効率が高い。River 3では、268Whの他社製品と比較して、10W出力で1.5倍、50W〜100W出力で1.1倍の長時間出力が可能になっている。つまり容量が少なくてもロスが少ないため、差し引き出力結果はあんまり変わらないというわけだ。


変換ロスを抑えて低容量をカバーする(発表会配付資料より抜粋)

 内部のバッテリーは、IP54の防塵防滴パックに格納された。製品全体としては防水防滴仕様ではないため、浸水すれば使えなくなる可能性が高いが、内部に水が侵入してもバッテリーパックは保護されるため、ショートによる破裂や漏電といった不安を解消する。可搬性を考えて、将来的には何らかの防水バッグのようなものの製品化も検討しているという。

 AC出力は300Wあるので、冷蔵庫もモノによっては動かせると思うが、1〜2時間程度しか保たないだろう。基本的には避難先で情報機器を動かすための電源、と考えた方がいい。

 重量は3.5kgで、これぐらいなら片手で持てるし、避難荷物の上に乗せてもそれほど負担にはならない。また高さが抑えられたことで、普通車の運転席シートの下に潜り込ませることも可能だ。避難時に置き場所に困らないのはありがたい。

 以下は今回展示されなかったが、今後ネット販売専用として、容量を230Whに下げて価格も下げたモデルも投入予定。また拡張バッテリーに対応できるモデルとして、「River 3 Plus」も製品化の予定だ。同時に専用拡張バッテリーも2タイプ投入し、それぞれの組み合わせで「River 3 Max」「River 3 Max Plus」というセット商品となるようだ。


今後ラインアップを拡充予定(発表会配付資料より抜粋)

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