FTC、YouTubeやTikTokによる消費者の「広範囲な監視」を報告
米連邦取引委員会(FTC)は、InstagramやYouTubeなどが、未成年を含む消費者から多くの個人情報を収集し、個人のプライバシーを危険にさらしているとする報告書を公開した。
米連邦取引委員会(FTC)は9月19日(現地時間)、InstagramやYouTubeなど、IT大手が運営するSNSやストリーミングサービス(FTCはこれをまとめて「SMVSS」としている)が、未成年を含む消費者を広範囲に監視し、多くの個人情報を収集、共有しているという調査結果報告書を公開した。
この報告書は、米MetaのFacebook、Facebookメッセンジャー、Instagram、WhatsApp、米GoogleのYoutube、米AmazonのTwitch、米X(調査開始当時はTwitter)、米SnapのSnapchat、米RedditのReddit、米DiscordのDiscordによる、2019年1月1日から2020年12月31日までの情報に基づいてまとめられた。
報告書は、データの収集、使用、開示、最小化、保持、削除といったデータ慣行、広告とターゲット広告、自動意思決定技術の利用、子供と10代の若者に関する慣行、競争に関する懸念という、5つのセクションで構成されている。
データの収集セクションでは、企業が消費者からデータを収集する方法が多岐にわたっており、登録ユーザー以外の消費者を巻き込むこともあると指摘している。
FTCのリナ・カーン委員長は発表文で「こうした監視行為は、個人のプライバシーを危険にさらし、自由を脅かし、個人情報の盗難からストーキングに至るまで、さまざまな被害に遭うリスクを高める可能性がある。特に、一部の企業が子供や10代の若者を適切に保護していないことは、非常に懸念すべきことだ」と語った。
FTCはこの報告書を受けて、企業に対し、子供や10代の若者の保護強化と、10代の若者への強力なプライバシー保護手段の提供を勧告した。また、連邦議会に対し、自動オンラインプライバシー保護法(COPPA)ではカバーしきれない問題を補完するために、連邦プライバシー法を可決する必要があると提案した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Epic GamesにFTCが罰金5億2000万ドル 子どものプライバシー侵害とダークパターン使用で
米連邦取引委員会(FTC)は「フォートナイト」を手掛けるEpic Gamesに総額5億2000万ドルの支払いを命じた。米COPPA違反の罰金支払いと「児童をだまして不当な請求をした」としての返金だ。アイテム購入のわかりにくさ改善も命じた。
米連邦取引委員会(FTC)、データプライバシー規則制定に向けて始動
米連邦取引委員会(FTC)は、企業によるデータ収集を規制する規則制定に乗り出した。パブリックコメントを求める通知を発行。「FTCが商業的監視とデータセキュリティ慣行に対処するための規則を発行する必要があるかどうか意見を聞きたい」とリナ・カーン委員長は語った。
FTC、Facebookを再度申し立て リナ・カーン委員長忌避は却下
米連邦取引委員会(FTC)がFacebookをあらためて独禁法違反で提訴した。Facebookが請願していたリナ・カーン委員長の忌避は却下。Facebookはこれを受け「FTCがこの無益な訴訟を続けるのは残念だ」とツイートした。
YouTube、子ども向けコンテンツの新ルールをグローバル展開
YouTubeは、予告通りクリエイター向けの子ども向けコンテンツの設定をグローバルに義務付けると発表した。FTCとの和解条件である児童オンラインプライバシー保護法COPPAに順守するためだ。

