Epic GamesにFTCが罰金5億2000万ドル 子どものプライバシー侵害とダークパターン使用で
米連邦取引委員会(FTC)は「フォートナイト」を手掛けるEpic Gamesに総額5億2000万ドルの支払いを命じた。米COPPA違反の罰金支払いと「児童をだまして不当な請求をした」としての返金だ。アイテム購入のわかりにくさ改善も命じた。
米連邦取引委員会(FTC)は12月19日(現地時間)、人気ゲーム「フォートナイト」を手掛ける米Epic Gamesに対し、総額5億2000万ドルの支払いを命じたと発表した。同社が児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反し、児童をだまして不当な請求をしたためとしている。
5億2000万ドルの内訳は、COPPA規則違反で2億7500万ドル、ダークパターンを使うことによって「若者や子どもを含むフォートナイトユーザーを欺くインタフェース」で不当な請求をしたことで2億4500万ドルとなっている。後者は不当に課金した消費者への返金に充てられる。
フォートナイトは無料でプレイできるが、ゲーム内アイテムには課金される。FTCは、アイテム取得のためのボタン構成が紛らわしく、ボタンを推すだけで不当な料金を請求されるようになっていると指摘する。
FTCはさらに、Epicに対し、子どもと若者向けのプライバシー設定の改善と、音声とテキストによる通信を初期設定で確実にオフにする設定変更を命じた。
Epicへの罰金総額は、2019年にFTCがYouTubeに科した1億7000万ドルをはるかに超えるCOPPA違反罰金の史上最高額だ。
FTC委員長のリナ・カーン氏は発表文で「一般の人々、特に子供たちをオンラインのプライバシー侵害やダークパターンから保護することは、FTCの最優先事項であり、今回の措置は、FTCがこれらの違法行為を取り締まっていることを企業に明確に示している」と語った。
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