Google対Epic裁判、判事はアプリストア開放を命令 Googleは控訴へ
Epic Gamesが2020年にGoogleを独禁法違反で提訴した訴訟で、連邦地裁判事はGoogleに対し、Google Playストアを競合他社に開放するなどを命じた。Googleは控訴するとしている。
米カリフォルニア州北部地区連邦地裁のジェームズ・ドナート判事は10月7日(現地時間)、米Googleと米Epic Gamesの訴訟の昨年12月の評決を受けて、Googleに対し、Google Playストアを競合他社に開放し、Androidユーザーにアプリのダウンロードに関する選択肢を増やすよう命じた。Googleは控訴するとしている。
この訴訟は、「フォートナイト」などのゲームを手掛けるEpic Gamesが2020年に、Googleを独禁法違反で提訴したことで始まった。Epic Gamesは、Googleが競合するアプリストアを開発しないようハードウェア企業やAndroidスマートフォンメーカーに金銭を支払うなどの反競争的行為を行っていると非難している。
Epic Gamesは同じ日に米Appleも提訴した。Appleとの訴訟は既に終結している。
Epic Gamesは1週間前にGoogleとSamsungに対して別の訴訟を起こしている。新たな訴訟もドナート判事が審理する。
7日の命令で、Googleは11月1日から3年間、以下のことを禁じられる。
- アプリをGoogle Playで独占的または最初にリリースするよう企業に報酬を支払う
- Google Playと競合しないよう企業に報酬を支払う
- 新端末にGoogle Playをプリインストールするよう企業に報酬を支払う
- アプリ企業にGoogle Play請求サービスの仕様を義務付けるか、自社サイトでより安く購入できると告知することを禁止する
また、以下を義務付けられる。
- 競合するAndroidアプリストアがGoogle Playのアプリカタログにアクセスできるようにする
- サードパーティのAndroidアプリストアをGoogle Playで扱う
Googleは公式ブログで、第9巡回控訴裁に控訴し、控訴中は命令された変更を一時停止するよう要請すると発表した。また、この変更命令は、「AndroidのiOSに対する競争力を損なう」と主張した。「これらの変更はEpic Gamesを満足させるだろうが、米国の消費者、開発者、端末メーカーに損害を与える意図しない結果を引き起こすだろう」としている。
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOはXに、この命令はビッグニュースで、Epic Games Storeを含む独自アプリストアが2025年にもGoogle Playに登場するとポストした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Epic Games、GoogleとSamsungを提訴 「アプリ配信競争阻止で共謀」
人気ゲーム「フォートナイト」を手掛けるEpic Gamesが、GoogleとSamsungを独禁法違反で提訴した。Galaxyの「自動ブロッカー」がデフォルトでオンになったことで、8月リリースのEpicのゲームストアのインストールが困難になったとしている。
Epic Games、「フォートナイト」提供のアプリストア開店 Androidは日本でも
Android版「フォートナイト」が4年ぶりに日本でも入手可能になった。Epic Gamesが1月に予告していた独自アプリストア「Epic Games Store」の提供を開始したのだ。iOS版はEU圏内のみだが、2025年には日本でも提供するとしている。
Apple対Epicの独禁法訴訟、米最高裁が両社の控訴を却下 ほぼEpicの敗北
Epicが2020年にAppleを独禁法違反で提訴したことで始まった訴訟で、米最高裁が両社の控訴を却下した。これにより、Appleは反ステアリング規則を見直すことになる。
対Google訴訟でEpic Gamesが勝訴 Googleは控訴の構え
2020年8月にEpic GamesがGoogleを提訴した裁判で、連邦地裁はGoogleが独禁法に違反しているとの判決を下した。Googleは控訴するとしている。
「フォートナイト」、App Storeに続きGoogle Playストアからも削除
Epic Gamesが「フォートナイト」にゲーム内アイテムをアプリストア以外で購入できる機能を追加し、AppleがApp Storeから同ゲームを削除した数時間後、Google Play Storeからも消えた。EpicはAppleを独禁法違反で提訴した。【UPDATE】EpicはGoogleを提訴した。

