国内プライベートクラウドの市場規模、2028年には4兆円超に 生成AI稼働も増 IDC Japan予測
調査会社のIDC Japanは、国内プライベートクラウドの市場予測を発表しました。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「国内プライベートクラウド市場は2023年の2兆円から5年で2倍以上の4兆円超に。IDC Japanの予測」(2024年10月9日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
調査会社のIDC Japanは、国内プライベートクラウドの市場予測を発表しました。
発表によると、2023年の国内プライベートクラウド市場は2兆533億円(支出額ベース)で、これが5年後の2028年には約2倍の4兆2126億円になるとしています。
2023年の国内プライベートクラウド市場は、従来型ITで構築された既存システムのクラウド環境への移行(クラウドマイグレーション)と同時に、プライベートクラウド環境の更新需要も顕在化したことが成長を下支えしたと分析されています。
2024年以降は、クラウドマイグレーションとデジタルトランスフォーメーション(DX)、データ駆動型ビジネスとしての導入と利用が両輪となり、高い成長を継続すると予測され、また、製品やサービスの単価の上昇傾向が市場の成長を底上げするとも予測されています。
また今後は生成AIが機密情報を扱うようになることなどを背景に、プライベートクラウドでの生成AIの稼働が増加する見込みとしています。
IDC Japanの松本聡氏(Software&Services リサーチディレクター)は、「ベンダーは、Generative AIといった先駆的なテクノロジーに対応すると共に、デジタル主権を実現するソブリンクラウドを整備して、プライベートクラウドの新しい価値を提示する必要がある」とコメントしています。
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