赤ちゃん置き去りも技術で防ぐ、日産の子守支援ロボ「イルヨ」を見てきた(2/2 ページ)
先週、幕張メッセで開催された「Japan Mobility Show Bizweek 2024」──その日産自動車ブースでひときわ目を引いたのが、赤い大きなぬいぐるみでした。正体は、子守支援ロボットの「イルヨ」です。
置き去りを防ぐ「マダイルヨ」
マダイルヨは、イルヨの支援機能からさらに踏み込んで、社会問題ともいえる「置き去り事故」を防ぐ新機能です。
赤ちゃんを車内に置き去りにするなんて……と思う人もいるかもしれませんが、毎日生活のあれこれに追われていると、“うっかり”ということはあるんです。それぐらいに子育て中の親というのは忙しいんです。
実際、三洋貿易が昨年実施した調査では、保護者の5人に1人が1年以内に「子どもを残してクルマを離れたことがある」と回答しています。また、アカチャンホンポ会員を対象にした調査では、赤ちゃんを車に乗せる頻度が高い親ほど子どもの車内置き去りについて「うっかり自分がやってしまうんじゃないか」と心配・不安に思う割合が高いことも分かりました。
だから、置き去り事故は誰にでも起こりうるという前提に立ち、テクノロジーで事故が起きないようにサポートしようという試みであるわけです。
具体的にマダイルヨでやっていることは、イルヨ(と赤ちゃん)と事前に登録した親のスマートフォンを無線で接続し、距離が離れたことを検知したらスマホ通知で警告するというもの。この警告は距離が縮まらない限り届き続ける仕様になっています。
意外とシンプルな仕組みではありますが、これを親が意識することなく自動化しているのが素晴らしいわけです。そもそも意識できていれば、置き去り事故は起こらないわけですから。
このイルヨ、現時点では商品として販売することが決まっているわけではありません。しかし、自動車メーカーが車にまつわる社会課題に対して、テクノロジーで問題解決のあり方を見せていくというのは、企業の啓発活動として重要ではないでしょうか。
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