サイバーエージェント、24年度通期決算で純利益204%増 “ウマ娘の反動”乗り越え、ゲーム事業も増収増益
サイバーエージェントは、2024年度通期決算(23年10月1日〜24年9月30日)を発表した。特にゲーム事業とインターネット広告事業が好調で、増収増益の結果になった。
サイバーエージェントは10月30日、2024年度通期決算(23年10月1日〜24年9月30日)を発表した。売上高は8029億9600万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は418億4300万円(同70.4%増)、経常利益は414億7500万円(同66.5%増)、純利益は162億4600万円(同204.7%増)と増収増益の結果になった。特にゲーム事業とインターネット広告事業が好調だった。
ゲーム事業においては、スマートフォンゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の大ヒット以降3年ぶりに、前年同期比での増収増益を達成。売上高は1959億8500万円(同9.4%増)、営業利益は305億6900万円(同34.6%増)となった。要因は「新規タイトルのヒットと既存タイトルの運用強化により」と説明している。
同期中、ウマ娘では3.5周年イベントやケンタッキーとのコラボレーション企画、コンソールゲームの提供などを開始。25年には新たなアニメの放送や、英語版ゲームの展開も控えており、今後もさらに長く愛されるIPを目指すとしている。
決算説明会で同社の藤田晋代表は「21年にウマ娘の空前の大ヒットがあったが、ゲーム事業で桁違いのヒットが出ると、(反動で)数字が落ちていくことは予想していた。早くから準備をしたことで、今期から増収増益の流れにしっかりと戻せたと手応えを感じている」と話した。
他にも25年度には、グループ会社のアプリボットが開発・運営する「ちいかわ」初のスマホアプリ「ちいかわぽけっと」などコンソールゲームを含め、5本の新規タイトルをリリースしていく予定。
ABEMAも大幅増収 いよいよ見えてきた“黒字フェーズ”
インターネット広告事業も、売上高は4363億7200万円(同7.6%増)、営業利益は222億1700万円(同21.3%増)となった。要因については「AIなどの活用により生産性が向上した」と説明。今後もAIを活用した広告効果の最大化と業務効率化を促進を続けていく。
メディア事業では、売上高は1708億4900万円(同21.0%増)、営業損失は19億2700万円(前年同期は115億2300万円の損失)と、年間売り上げが初めて1000億円を超える結果になった。同社は「『ABEMA』のWAU(1週間当たりの利用者数)が3000万を記録するなど、関連事業が好調に増収している」と説明。藤田代表は「25年度以降、利益を上げていくフェーズに入る」と話した。
「ABEMAの視聴者の半分ぐらいはアニメを見ている。IPを育てる、展開する力はグループ内に備わってきたので、グループシナジーを効かせながらやっていきたい」(藤田代表
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