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音響エンジニアが考える、テスラ「モデル3」オーディオ設定の最適解 ノーマル仕様でどこまで引き出せる?走るガジェット「Tesla」に乗ってます(5/5 ページ)

オーディオ環境において「最良の出音」を実現するにはどうすればよいのか。過去に、ハイレゾ音源のポテンシャルを引き出すだけの能力は持っていないと結論づけた、テスラ「Model 3」で論じてみよう。ノーマルオーディオチューニングの最適解とは?

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5つあるスライダーの周波数帯域を計測してみた

 Model 3のEQ設定におけるUIで筆者として不満に思う点があります。それは、グラフィックイコライザーの5つある各バンドの周波数が数値で示されていないことです。自分の耳を信じて調整すればいいのでしょうが、おおよそでもよいので各バンド帯域の数値を認識した上で調整する方が安心できます。

 そこで、各バンドがどの周波数帯に対応しているのかを実車で測定しました。測定方法は次の通りです。

  1. 最大22.05KHzまで再生可能なテストトーン(スイープ信号)をModel 3のオーディオから再生
  2. iPadにインストールした周波数のリアタイム測定が可能なアプリ「Sonic Tools」で波形を動画撮影
  3. 撮影した動画のFFTグラフを目視でフラットEQのものと比較する
周波数解析の様子。自宅駐車場に駐めた車内でスイープ信号を大音量で鳴らしていたら、家人が驚いて家から様子を見に来た

 その結果、各スライダーは次のような周波数帯を調整可能なことが分かりました。

  • 最も左のスライダー(低音) ― 50〜70Hz帯
  • 左から2番目のスライダー ― 280〜350Hz帯
  • 真ん中のスライダー(中音) ― 800Hz〜1KHz帯
  • 右から2番目のスライダー ― 3〜4KHz帯
  • 最も右のスライダー(高音) ― 7〜9KHz帯

【図版】05 各バンドの調整可能な周波数帯はこのようなイメージであろう

 筆者は音響解析のプロではないだけに、有りもののツールで計測しました。従って、この測定結果が100%正しいと言い切る自信はありません。ただ、自分でミックスとマスタリングを手掛けた音源を鳴らした上でEQ調整した場合の体感として「まあ、こんなものかな」という印象です。

著者プロフィール

山崎潤一郎

音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla


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